極東ロシア、ウラジオストクで暮らす11歳の少年と家族の日常。ソビエト時代に建てられた集合住宅と、別荘のダーチャ。父、母、妹と暮らす生活は質素で、生き残るために必要なことをしっかり学んでいる。ロシアでは小学校は4年、中学校が5年間。11歳の子どもたちは大人びて見える。
戦争関係の記念日を祝ったり、ひいおばあさんが軍艦で働く看護師だったり、迷彩服を着た大人がいたり。夏休みには自然のなかでサバイバルの教室に参加したりなどして軍事色が感じられる。物がない時代に人々は自分で家庭菜園などで食べ物を作り、保存食に加工して知恵を絞って工夫してくらしていた。それが今でも習慣としてのこっていて、質素だが、豊かで温かい暮らしを作っているように見えた。
ロシアは寒い場所で、生活も大変そうだという印象があったが、意外と半袖で楽しく過ごしていて驚く。「寒い」という前提で家を作り、効率よくヒーターで温めるから、家の中は快適らしい。
自分の生まれ育った家は、掘立小屋で隙間風がスース―していて、暖房器具といったら小さな石油ストーブと電気こたつくらいしかなかったのを思うと、ロシアに暮らすこの少年たちがいかに豊かに恵まれて暮らしているかということがわかる。
のびのび育って、幸せになって欲しい。