各所で繰り広げられる両親の小さな言い合い。
母親が一方的にイライラしていたり、父親が無神経な発言をしたりで、それを聞かされる主人公・麦。
麦自身も友達とのトラブルで悩みを抱えており、親のやり取りにささくれだっています。
全体を通して母親との会話が多く、母が家族を思う気持ち、父に対しての苛立ちや失望、心の奥にまだ残る期待が感じられ、子供から見た母の揺れる心が、同じ母親として、女として、切なく感じられました。
揺れる母の気持ちに接する麦にとっては、重苦しくて辛い時間だったと思いますが、思わぬ展開に続く大団円で、まだこれからも波乱があるかもしれませんが、乗り越えていけるのかなと思えて、ほっと一息でした。