千年を超えるかしの木の一生は、ほんの偶然から始まっている。
そう考えると、何と偉大な偶然だったろうかと感慨に耽ってしまいました。
かしの木は一生の間に様々なものを見てきたのだと思うと、壮大な気持ちにもなりました。
回りの樹木が切り倒されて、様々な物の材料になる。
自分の身の回りにもそんな物がいっぱいです。
様々なドラマがあり、次第に一本の取り残された木は、シンボルとして人々に愛されるようになりました。
偶然の天災によって焼けてしまったとき、人々は喪失感をもったことでしょう。
焼けて切り倒されたかしの木ですが、残された切り株から新たな予感を残したラストシーンに、余韻が残りました。
ただ、絵の独特性には、読者を選んでしまう残念さも感じました。