みなしごのライオン、ブルブルは、犬のムクムクに育てられ、やさしくて立派なライオンに成長したのです。
時がたち、2人はやがて離ればなれに暮らすことになったのだけれど、ブルブルは母を思い、母親ムクムクのところにかけもどる。
親思いのやさしいライオンに成長したブルブルを、ただの逃亡した危険なライオンとして銃で撃ってしまった人間。
でも、一緒になったブルブルとムクムクを引き離すことは、もう誰にも出来ないでしょう。
銃で撃たれた日の夜、年寄りの犬を背中に乗せたライオンが空を飛んでいくのを見たという人が何人もいました。
人間は、ブルブルを撃ってはいけなかった。
ブルブルは、ただのやさしい母親思いのライオンだった。
「フランダースの犬」の最終回を思わせるようなこの最後のページに、じーんとした一冊です。