とてもリズミカルな文体です。
幼児の言語認識の解説をした『2歳から5歳まで』を著した,ソビエト期から現代に至るまで数世代に渡って、読み継がれてきた児童文学作家さんのチュコフスキーさんの作品です。
言葉の遅い友人のお子さんと1時間過ごしただけで話し始めたという逸話の持ち主でもあります。
お話しは、フェドーラばあさんに粗末に扱われていた台所周りの道具から、掃除用具果ては、椅子までもが家出を決め込み逃げ出します。
それを追いかけるフェドーラばあさん。
追いかけながら疲れ果て、お茶を飲むにもカップもコップもありません。
深〜〜〜く深〜〜〜く反省し……。
このテンポの良さは、小さいお子さんにうけそうです。
言葉の楽しさに体も動き出しそうですね。
逃げるお皿たち、追いかけるおばあさんという、単純な流れですが、お皿たちが、どんなに遠くまで逃げたかを感じられる文。
途中でこの逃亡の集団に出くわす、動物たちのそれぞれのリアクションも楽しい。
終盤、たくさんの来客が、綺麗になったフェドーラばあさんの家へ訪れるページが明るくて、清潔でホッとします。
ラストのページのフェドーラばあさんの幸せそうなお顔が印象的です。