老人夫婦の間に九人の男の子が一度に生まれた。名前は「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」とこんな名前。いじわる王子様の柱が倒れた。すると、「ちからもち」は軽く持ち上げてなおしてしまった。どうしても信じられない王子様はものすごい大量のごはんを炊く。「そんなにちからもちならお腹もすくだろう。これだけ食べたら信じよう」と王子様。今度は「くいしんぼう」が行ってあっという間にたいらげた。怖くなった王様はこの男を死なせてしまおうと捕らえて7日間何も食べさせないでいた。でも男はへっちゃら。何てったってそこにいたのは「はらいっぱい」だったから。今度はたくさんたたかれた。でも平気、そこにいたのは「ぶってくれ」だったから。次は谷底へ投げられた。でも平気、そこにいたのは「ながすね」足が伸びて大丈夫だった。次は火の中へ入れられた。「さむがりや」だったから焼けなかった。そして今度は雪の中へ・・・というように九人兄弟はみんなで力を合わせた。最後は水に中へ入れられた「みずくぐり」は水を吸い込んでお城めがけて吹きかけた。するとたちまち王様やお城は流されていったのでした。王様はきっと最後まで男は一人だと思っていたでしょうね。なんともおもしろいお話しでした。