可哀想なネズミくんはせっかくお母さんに編んでもらったチョッキを台無しにされてしまった。
ネズミくんはちょっとチョッキをアヒルくんに貸しただけなのに…。
みんなちょっと「きついけど…」なんて言いながら、チョッキを着る。
どの動物も「にあうかな?」と嬉しそう。素敵なチョッキなのだ。
最終的にはゾウくんまでチョッキを着るなんて、ネズミくんは想像もしなかっただろう。
紐のように伸びてしまったチョッキ、そしてそれを着て帰る悲しそうなネズミくん。
何ともひどい話である。
この本の教訓は「覆水盆に返らず」か、「簡単に人に物を貸してはいけない」か?
いやいや、違う。
この本に教訓があるかどうかはわからないが、ネズミくんが怒らないところがいいのである。
とんでもない目に会いながらも、誰のせいにもしないところがいい。
最後にちょこっと、伸びたチョッキをゾウさんの鼻にかけて、ブランコをするネズミくんがいる。
昔、娘は、次々と大きな動物がチョッキを着る様子を面白がっていた。