『つるのおんがえし』ですが、なんと人の性に踏み込んだお話かと感じ入ってしまいました。
助けたもらった鶴はむすめの姿をして、よ平のもとに嫁にしてくれと尋ねてきました。
むすめの心理描写のたおやかさ、織り上げた反物の形容のみごとさ、なんだか軽く子供向けの昔話という表現では言い尽くせない情の世界を感じます。
むすめの織り上げた反物は、よ平を裕福にしましたが、そのために欲も育ててしまいました。
悲しいお話ですが、赤羽さんの絵もとても情感たっぷり。
最期の鶴が遠くに消えていくシーンなどは、哀愁がありすぎてつい感情移入してしまいました。