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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい フランス映画を観ているような                  投稿日:2020/08/09
ならの木のみた夢
ならの木のみた夢 文: やえがし なおこ
絵: 平澤 朋子

出版社: アリス館
この絵本のタイトルにある「ならの木」は漢字で書くと、「楢の木」だろう。
 絵を描いたのは平澤朋子さんで、彼女が描く「ならの木」も大きな葉が描かれているが、楢の木は落葉性の広葉樹の総称である。
 日本でもこの木は見ることができるが、この絵本の舞台はどうも日本ではない。
 町の名前が書かれているわけでもないし、絵本に登場する男の子に名前がついているのでもない。
 ただ、少年が行こうとしていた「おまつり」にはメリーゴーランドもくるそうで、そういう「おまつり」は日本ではなかなかないのではないだろうか。

 どちらかといえば、国籍不明の物語ではあるが、書いたのはやえがしなおこさんという日本の童話作家である。
 日本の風景を消し去ることで、ならの木と少年の生涯をかけての約束物語が世界中の人々にも読んでもらえる広がりができたともいえる。

 野原の若いならの木に、これから「おまつり」に行くという少年が、「おみやげに枝にぶらさげる鈴を買ってくる」と約束して行ってします。
 ところが、少年は戻ってこなかった。
 ならの木は何年も少年を待ち続ける。
 ある日、若者になった少年がならの木の前に立つのだが、彼はならの木にした約束を思い出すことはなく、立ち去っていく。
 もっともっと年が過ぎ、少年も年老いた男になっている。
 そして、ある日、彼はならの木とした約束をふいに思い出すのだった。

 短い物語ながら、少年のたどった厳しい人生と約束を待ち続けたならの木の人生がフランス映画のようなしっとりした味わいをもった作品に仕上がっている。
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自信を持っておすすめしたい うどんだいすき!   投稿日:2020/07/26
うどん できた!
うどん できた! 作: 加藤 休ミ
出版社: 福音館書店
絵が描ける人が羨ましい。
 上手い下手はあるだろうし、もちろん巧く描けたらもっといいが、いずれにしても白いキャンパスに向かって絵を描ける人は、いい。
 加藤休ミさんの絵を初めて見た時、「え!? これ、絵?」と呆然としてしまったことを思い出す。
 それは焼き魚を描いたものだったが、写真かと間違うほどで、しかもそれがクレヨン画だと知って、さらに驚いた。
 絵筆でさえ描けないのに、どうしてクレヨンでここまで描けるのか。
 それ以来、私の中で加藤休ミ尊敬度は薄まらない。

 今回は「うどん」。
 表紙の「きつねうどん」のうまそうなことといったらない。
 どんぶりに触れている出汁の色合い、あげのしわ、ネギと出汁のからまり具合、そして何よりもうどん。出汁の中に沈んでいる様子、うどんとうどんのからみあい、もういうことはない。
 あとは食べるだけ。
 待って、まって!
 この絵本は、「ふしぎなたね」シリーズの一冊で、こんなにおいしいうどんの作り方を描いたもの。
 まずはうどん粉をこねるところから順に見ていきましょう。

 一つ心配なのは、こんなにおいしそうに描かれているから、小さい子供たちは絵本を食べてしまわないかということ。
 何しろこの絵本は3才から5才の子供向けの幼児絵本。
 絵本を食べなくても、「うどん食べたーい」とせがまれることを覚悟の上、お読みください。

 うどんを作れる人も羨ましい。
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自信を持っておすすめしたい 「たまごやきの気持ち」がわかる大人    投稿日:2020/07/19
そらをとんだたまごやき
そらをとんだたまごやき 作: 落合恵子
絵: 和田 誠

出版社: クレヨンハウス
1993年に出版されたこの絵本のおしまいのページに、「お話をつくった人」落合恵子さんと「絵を描いた人」和田誠さんからの短いメッセージが載っています。
 落合恵子さんのそれは絵本がたまごやきのお話なので「卵」のエピソード。
 一方、和田誠さんは落合さんとはずいぶん前からの知り合いで、落合さんがディスクジョッキーだった時も見学に行ったとか。(ちなみに落合恵子さんはレモンちゃんと呼ばれた人気DJだったのですよ)
 また、絵本専門店クレヨンハウスができた時は、お子さんの手をひいて出かけたそうです。(ちなみに落合恵子さんはクレヨンハウスの主宰者です)
 対談はあったそうですが、落合さんと絵本を作ったのは初めてだと書いています。
 そして、このお話の魅力を「発想のとび具合」としています。

 お話に登場するのは、お父さんと娘のめぐちゃん。
 二人はたまご20個使って、大きなたまごやきを作ります。
 するとこのたまごやきはどんどん大きくなって黄色いアドバルーンみたいになってしまいます。
 そして、お父さんとめぐちゃんを乗せて、冷蔵庫の中に広がる空に飛び出したのです。

 和田さんがいうように「発想」が普通ではありません。
 でも、和田さんも子供の頃には押入から外国に行けると空想していたらしく、「たまごやきの気持ち」がわかると書いています。
 和田さんという人は、きっと終生「空を飛びたいたまごやきの気持ち」がわかる大人だったのでしょう。
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自信を持っておすすめしたい 解けないなぞをサラリと解いて             投稿日:2020/07/12
えほん なぞなぞうた
えほん なぞなぞうた 作: 谷川 俊太郎
絵: あべ 弘士

出版社: 童話屋
子供の頃に読んでいた雑誌にはよくなぞなぞが載っていました。
 例えば、こんな問題。
 「上は洪水、下は大火事、なーんだ?」。
 答えは「お風呂」ですが、昔は薪でお風呂を沸かしていましたから、当時の子供たちにはイメージしやすかったかもしれません。
 なぞなぞは大昔からあって、有名なのはスフィンクスが旅人に問いかけたものといいますから、まさに人類の歴史と重なります。
 ちなみにスフィンクスのなぞなぞは「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。なーんだ?」。
 答えは「人間」。
 朝は赤ん坊のハイハイの姿で、夕方の三本足は杖をついている姿です。
 こんなふうに、うまいなぞなぞはウィットに富んでいます。

 この絵本は詩人の谷川俊太郎さんがこしらえてなぞなぞ集。
 奇数のページに問題があって、偶数のページには答えが載っています。
 例えば、こんな問題。
 「せかいじゅう どこにいっても よっつある/かせいにいっても あるのかな?」
 なぞなぞとしては、前段だけで成立していますが、後半をつけることで谷川さんの柔らかな文章になっているのがいい。
 なぞなぞ的には「なーんだ?」といれたいところですが。
 答えを書いてしまうのはよくないですが、よくできたなぞなぞなので、これだけは(文末に)書いておきます。

 ひとつひとつのなぞなぞとその答えに、あべ弘士さんの絵がついています。
 もちろん、問いについたあべさんの絵を見ても、残念ながら答えはわかりません。
 (文中のなぞなぞの答え:東西南北)
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自信を持っておすすめしたい 生きるものたちを感じる絵本  投稿日:2020/07/05
エゾオオカミ物語
エゾオオカミ物語 作・絵: あべ 弘士
出版社: 講談社
絵本は、絵と文の配分が絵の方が多いものをいうのだろう。
 文が多くなれば童話もしくは物語となって、絵は挿絵と呼ばれるようになる。
 だから、絵で多くを語ることになる。
 あべ弘士さんの、今は絶滅したエゾオオカミの物語を描いた絵本も、壮大な大河のような物語が文字で多くを語るのではなく、絵がそれを伝えている。

 ある寒い夜、小さなモモンガたちがふくろうから物語を聞く場面から始まる。
 まるで、年老い知恵者から昔話を聞くような始まりは、物語の導入部として期待が高まる。
 ふくろうが語り始めたのは、昔北海道に生息していたエゾオオカミのこと。
 あべさんはここで一匹のエゾオオカミの全身を描いている。
 ここからすでに物語は始まっている。
 かつて、シカと共存していたというエゾオオカミ。シカを殺して食べることでエゾオオカミは生き、シカもまた数のバランスを保っていたという。
 ある年、大雪が降って、シカがいなくなった。
 エゾオオカミは仕方なく村の馬を襲う。
 いのちのバランスが崩れた瞬間だ。
 人はそんなエゾオオカミを殺して、絶滅させてしまう。
 わずか100年ほど前のこと。

 あべさんの絵は写実ではないが、描かれる動物たちの鼓動が聞こえる気がする。
 強い鼓動であったり、深い息づかいであったりを感じることができるのが不思議だ。
 長大な抒情詩ともいえるこの作品で、文字数は限られているが、絵は多くのことを語っている。
 そう、まるで100年の時間のような悠久を。
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自信を持っておすすめしたい その日何が起こったか                 投稿日:2020/06/28
1999年6月29日
1999年6月29日 作・絵: デイヴィッド・ウィーズナー
訳: 江國 香織

出版社: BL出版
日付のある記憶というのは誰にもある。
 例えば、1978年4月4日キャンディーズの解散コンサートがあった日だとか、2011年3月11日の東日本大震災が起こった日というように。
 で、1999年6月29日には何があったか。
 絵本のタイトルになっているぐらいだから、きっと何かあったはずなのだけど、思い出せない。

 実はこの日、アメリカのニュージャージー州ホーホーカス(といっても、そこがどこなのかわからないが)である異変が起こったのだ。
 一人の少女の実験で、空から巨大な野菜が降ってきた日なのだ。
 巨大カブがごろり。巨大キャベツが何個も空に浮かび、巨大キュウリが空を飛ぶ。
 そして、少女の家の庭に巨大ブロッコリーがでんと着地。
 こんな大事件が起これば、記憶に残っているはずだけど。
 でも、これって絵本のお話だから。

 少女はあることに気がつく。
 それは自身が実験をしていない野菜まで巨大化して、空から降ってきていることだ。
 それはアルーギュラという野菜。
 この野菜自体あまりなじみがないので、どんな野菜かはこの絵本で確かめましょう。
 この絵本を描いたデイヴィッド・ウィーズナーさんは細かくて丁寧なイラストのような絵を描いているので、名前がわからなくてもどんな野菜かわかるようになっている。

 つまりは少女の実験と関係なく、1999年6月29日に大きな野菜が空から降ってきたのだが、その訳は絵本の最後で判明します。
 ヒント。宇宙のかなた。
 でも、彼らもカブを食べるのかな。
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自信を持っておすすめしたい あべ弘士さんの描く動物たちの賛歌          投稿日:2020/06/14
みんな のせて
みんな のせて 作・絵: あべ 弘士
出版社: 講談社
あべ弘士さんの絵本が好きだ。
 北海道で生まれたあべさんは旭川市の旭山動物園で飼育係をしていて絵本作家になった異色の絵本作家で、木村裕一さんの『あらしのよるに』シリーズの絵を担当して評価を高めた。
 その絵は細かいところまで丁寧に描くという画法ではないが、動物たちの命の躍動を感じさせる力強い筆運びがいい。
 そこには、動物たちとの共感がある。
 人間は人間だけでこの地球に生きているのではなく、動物たちとの共存で成り立っている。
 そんな強い意志のようなものを、あべさんの絵本から感じるのだ。

 この作品はどちらかといえば幼児向けだろう、北極の駅から特急動物園号が出発するところから始まる。
 まずは白クマ一家がご乗車。
 夜の雪野原を走って、次の駅サバンナに到着。ライオン一家がご乗車。
 キリンたちがいる広い原っぱを抜け、次のジャングル駅に停車。
 ここでチンパンジーの大家族が乗車。
 深い森を抜けるると、南極駅。ここではもちろんペンギン一家が乗り込む。
 そして、目指すは終点動物園駅。

 とても簡単なおはなしだけど、最後に書かれた「また、のりたいね。」の一文の通り、もう一度最初の駅に戻って旅をやりなおしたい気分になるのは、やはりあべさんの絵の力といっていいのではないだろうか。
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自信を持っておすすめしたい ペク・ヒナさんはくせになる                投稿日:2020/06/07
天女かあさん
天女かあさん 作: ペク・ヒナ
訳: 長谷川 義史

出版社: ブロンズ新社
くもってどうやってできるか、知っていますか。
 そう、空に浮かぶ雲。
 実はあれ、卵の白みで作るんですよ。この絵本にちゃんと載っています。
 「たまごのしろみでチャッチャッチャッとあわをたて」、「そのあわをぐつぐつわかしたぎゅうにゅうにいっぱいずつおたまですくって」いれると、雲のできあがり。
 もっとも、これは天女のかあさんだからできる、すご技ではありますが。

 この絵本の作者ペク・ヒナさんは、自称「人形いたずら作家」の韓国で大人気の絵本作家です。
 なんといっても、彼女の作る人形の造形の面白さ。
 この絵本でいえば、天女かあさんの、白塗りのお顔に度肝を抜かれました。
 まるで吉本新喜劇の芸人さんかと思ってしまいました。
 このへんてこなかあさんだけでなく、主人公の少年も、少年のお母さんも、どこかおかしくて、きっとこんな人はいないんだけれど、どこかにいそうな、そんな造形にしびれます。

 そして、物語の奇抜性。
 ホホ少年が熱を出して、学校を早引きするという連絡がお母さんに入ります。
 でも、お母さんは仕事中で、知り合いに電話するのですが、つながりません。
 最後につながったのが、お母さんのおかあさん。ただ、それは間違って天女につながっていたというお話。
 この天女かあさん、下界に降りて、したこともない料理に挑戦。
 そこで雲までこしらえてしまうことに。

 ペク・ヒナさんの面白おかしい作品に、長谷川義史さんの訳はぴったりの、ご機嫌な絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 間違っても、ヤクルトおばさんと言ってはいけません。ヤクルト  投稿日:2020/05/24
天女銭湯
天女銭湯 作: ペク・ヒナ
訳: 長谷川 義史

出版社: ブロンズ新社
 ひゃーぁ、もうぶったまげた!
 表紙のヤクルトをチュウチュウ吸ってるおばあさんを見ただけで、泣いている子は誰? 大丈夫よ、この人天女ですから。
 まずは、この絵本を描いた人を紹介しましょうね。
 ペク・ヒナさん。1971年生まれの韓国の絵本作家。自称「人形いたずら作家」で、今韓国で最も人気のある絵本作家でもあります。そうそう、日本でも彼女のファン急増中。
 しかも彼女は広末涼子さん似の、本当の天使のような人。

 なんといっても、この絵本は私たちの常識を覆してしまうほどインパクトがあります。
 絵ではなく、手作り感満載の人形を写真撮影して出来上がっています。
 背景に使われているのは、実際ソウル市内にある銭湯だとか。
 ここまでこだわっているから、子供たち(だけでなく大人も)に本物が見えてくるのでしょう。

 お話も奇想天外。
 ドッチちゃんという女の子が住んでいる町にある、古い銭湯「長寿湯」。
 つまり、この絵本の舞台はなんと女湯の中。(キャー)
 どこでドッチちゃんが出会ってしまったのが、羽衣をなくして銭湯に住むしかなくなったおばあちゃん、いや失礼、天女さま。
 銭湯の中でドッチちゃんと天女のまさに裸のつきあいが始まります。
 天女は風呂上りのヤクルトを飲んだことがないので、ドッチちゃんがごちそうしてあげます。
 そのことが、物語の後半、鶴の恩返し、ちがった、天女の恩返しとなっていきます。

 こういう絵本を読んだら、男の子なんかキャッキャッ喜びそうです。
 横目で女の子が「だから、男子はまだ子供」なんていいそうですが。
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自信を持っておすすめしたい おかあさんはさびしんぼう          投稿日:2020/05/10
ぼく おかあさんのこと…
ぼく おかあさんのこと… 作: 酒井 駒子
出版社: 文溪堂
男の子にとって母親とはどんな存在だろう。
 初めての異性? それはそうだけど。
 恋人? まさか。
 結婚相手? とんでもない。

 酒井駒子さんが2000年に描いた、この絵本の主人公の「ぼく」は、どうもおかあさんと結婚したいと思っているくらい甘えん坊なんだ。
 ふん、おかしいやい。そんなやつ、もう遊んでやんないぞ。
 どこかでそんなふうにおこっている男の子がいそうだ。
 そうかな。かわいいじゃない。
 おかあさんなんか大キライだって言ってお家をとびだしても、やっぱりおかあさんの胸のなかに飛び込んでくるなんて、これくらいの子どもにしかできないわ。
 どこかでそんなふうに微笑んでいる母親がいそうだ。

 きっとこの本の目線が、母親のそれなんだろう。
 だから、この絵本を読んだ君なら、少しはわかるかもしれない。
 おかあさんはいつもえらそうにしているし、おこりんぼうだけど、本当はすこしばかりさびしんぼうだってことが。
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