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新装版 ゆきがやんだら

新装版 ゆきがやんだら(Gakken)

酒井駒子によるロングセラー絵本の新装版

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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい 祝! 日本の絵本で初めて700万部              投稿日:2020/12/20
いないいないばあ
いないいないばあ 文: 松谷 みよ子
絵: 瀬川 康男

出版社: 童心社
 誰もが一度はしたことがあるのではないかしら、「いない いない ばあ」。
 したことがなくても、してもらったことはきっとあるにちがいない、「いない いない ばあ」。といっても、きっと覚えていないだろうけど。
 でも、あのシンプルなアクションがどうして赤ちゃんにうけるのだろうか。
 「いない いない」で探してみる。
 「ばあ」で現れ、びっくりさせられる。
 驚いて泣く子がいれば、あわてて「ごめんごめん」と謝り、笑う子がいれば「ほら、笑ったよ」と褒める。
 単純だけど、なんとも微笑ましい。

 そんな「いない いない ばあ」を絵本にしてしまった松谷みよ子さんのセンスがいい。
 松谷さんの文にかわいい絵を添えた瀬川康夫さんにも感服だ。
 そして、「いない いない」って見せておいて、「ばあ」とページを変えた編集もいい。
 そういうたくさんの「いい」が、1967年に発行以来、版に版を重ねて、2020年には国内で発行されている絵本で初めて700万部になったのだと思う。

 もちろん、「いない いない ばあ」って遊んでもらった赤ちゃんは、今では「いない いない ばあ」って遊んでいる大人になっているだろう。
 そして、この絵本を見て「懐かしい」と赤ちゃんの頃を思い出すことがあるかもしれない、懐かしい人たちの顔とともに。
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自信を持っておすすめしたい いのちをつなぐ  投稿日:2020/12/13
けんちゃんのもみの木
けんちゃんのもみの木 作: 美谷島 邦子
絵: いせひでこ

出版社: BL出版
 1985年8月12日に起こった日航ジャンボ機墜落事故から2020年で35年になりました。
 520人という多くの尊い命が犠牲となったこの事故で、この絵本の作者である美谷島邦子さんも当時9歳だった次男の健ちゃんを亡くしています。
 月日が経つとともにどんなに大きな事故であっても風化していきます。
 まして35年という長い時間は、あの事故を知らない人が増えていることでもあります。

 この絵本を手にするお父さんもお母さんも、もしかしたらあの事故を知らない世代かもしれません。
 絵本の中には飛行機の残骸も描かれていないので、飛行機事故の犠牲になった幼い命とそのお母さんのお話だとはわからないかもしれません。
 けれど、どうか忘れないでください。
 あの日、多くの命とさようならをしたもっと多くの人たちがいたことを。

 そして、それはあの事故だけではありません。
 2011年春に起こった東日本大地震でもそうだし、近年たびたび発生する水害でもそうです。
 突然さようならをしなければならない悲しみ。
 あるいは、現在のコロナ禍ではさようならさえ言えないままお別れしないといけないといわれています。
 この本はジャンボ機が墜落した御巣鷹山に植えられて一本のもみの木の話ですが、その木はずっとたくさんの悲しみも見守っている「THE FIR TREE(もみの木)」です。
 いせひでこさんの優しい絵がそっと寄り添ってくれます。
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自信を持っておすすめしたい 最強コンビによるゾウの絵本  投稿日:2020/12/06
ゾウと ともだちになった きっちゃん
ゾウと ともだちになった きっちゃん 作: 入江 尚子
絵: あべ 弘士

出版社: 福音館書店
どうして子どもたちはゾウが好きなのだろう。
 まど・みちおさんの有名な童謡「ぞうさん」の印象が強いのだろうか。
 それとも、やはりあの耳が大きくて長い鼻が特徴の造形が興味をそそるのだろうか。
 大きな体に似合わない愛くるしい目がかわいいのだろうか。
 いずれにしても、ゾウは子どもたちの人気者だ。

 この絵本の主人公きっちゃんもゾウが大好きだ。
 何しろ毎週のように動物園に出かけて、ゾウのおりの前で観察するのだから、好きも半端ではない。
 そして、ある時ゾウが話しかけていることに気づくのだ。
 そういったゾウの習性のあれこれがいっぱい詰まったゾウの絵本の作者入江尚子さんは、10年間ゾウの知能の研究をしてきたという女性。しかも、アジアゾウの足し算能力の研究で博士号まで取得している、いわば「ゾウ博士」。
 だから、この絵本の書いてあるゾウのことはみんな本当のこと。
 さらに絵を描いているのは、かつて旭山動物園で長年飼育係をしていたあべ弘士さんだから、あべさんの描くゾウの表情も本物。
 この絵本はそんな二人による最強のゾウ絵本なのだ。

 それにしても、ゾウが話しかけてくることあるなんて知らなかった。
 そういえば、まどさんの「ぞうさん」は「そうよ かあさんもながいのよ」って答えてくれている。
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自信を持っておすすめしたい この絵本でもペク・ヒナさんの魅力が満載  投稿日:2020/11/29
おかしなおきゃくさま
おかしなおきゃくさま 作: ペク・ヒナ
訳: 中川 ひろたか

出版社: Gakken
韓国の絵本作家で、自称人形いたずら作家のペク・ヒナさんが2018年に発表した絵本。
 日本では2019年9月翻訳(訳は日本の絵本作家の中川ひろたかさん)出版されました。
 ペク・ヒナさんはかつてアニメーションの勉強もされていたようで、さすがに登場人物たちの動きに迫力を感じます。
 例えばこの絵本、空から迷いこんだ「おかしなおきゃくさん」である天気の子がパンを食べたら大きくお腹がふくれておならをしてしまうシーン。
 その勢いで家の中のものや主人公の男の子が吹き飛んでしまうその場面の迫力は、絵本なのだから絵はとまっているのだが、まるで動いているその一瞬をとらえたもので、なかなかこういう絵本は見ることがない。

 ペク・ヒナさんの絵本はその登場人物に異様なキャラクター造型もいいし、ストーリー展開も面白いのだが、やはりそれ以上に動きのある絵(実際には写真)が読む人を惹きつけるのではないだろうか。
 すでにあるのかどうか知らないが、ペク・ヒナさんの絵本を実際にアニメーションで見たいものだ。
 その時には中川ひろたかさんや長谷川義史さんが音楽を担当したら、面白いのに。
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自信を持っておすすめしたい アリエッティに会いたい              投稿日:2020/11/27
岩波少年文庫 62 床下の小人たち
岩波少年文庫 62 床下の小人たち 作: メアリー・ノートン
訳: 林 容吉

出版社: 岩波書店
2010年夏に公開されたスタジオジブリのアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」(米林宏昌監督)の原作であるイギリスの児童文学。
 あの宮崎駿さんは企画と脚本で参加しています。
 そもそも原作は1952年に出版されたもので、原題は「THE BORROWERS」で日本語にすると「借り手」ですから、ジブリ作品の方がニュアンス的には近いかもしれません。
 もっとも岩波少年文庫にラインナップされたのが1956年ですから、「床下の小人たち」の方が物語を端的に表していてわかりやすかったともいえます。

 この物語はタイトルが示す通り、ある古風な家の床下に住む三人の小人の家族の物語です。
 父はポッド、母はホミリー、そして一人娘のアリエッティ。
 彼らの世界では絶対に人間にその姿を見られてはいけないという不文律があります。
 ところが、ある日ポッドがその家で静養に来ていた男の子に姿を見られてしまいます。
 嫌な予兆の始まりです。
 さらにはアリエッティまでも見つけられ、男の子としゃべってしまいます。
 この時男の子はアリエッティのような小人の種族はいつか滅びるという辛辣なことをいうのですが、子供は時に残酷なことを平気に口にする。
 そういうありのままの子供を描くことで、子供たちがその物語を自分にひきつけていく。そんなところに優れた児童文学があるのだと思います。
 そして、アリエッティたちはついに男の子以外の人間にも見つかってしまい、なじんだ床下から出ていくことになります。

 「借りぐらし」というのは、人間の生活からこまごましたものを借りて自分たちの暮らしを支えること。
 そんな生活をしているアリエッティたちが本当にいるかもしれない、そんなことをふと思います。
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自信を持っておすすめしたい 誰もがこれから往く道       投稿日:2020/11/22
おもいではきえないよ
おもいではきえないよ 作: ジョセフ・コエロー
絵: アリソン・コルポイズ
訳: 横山 和江

出版社: 文研出版
最初誰にも父と母がいる。
 同じようにおじいちゃんもおばあちゃんも。
 小さい頃におじいちゃんやおばあちゃんがいた子供はなんて幸せなのかと思う。
 まさに「ドラえもん」ののび太君がおばあちゃん大好きだったように。
 イギリスの作家ジョセフ・コエローが文を書いたこの絵本は、小さな女の子とそのおじいちゃんの物語だ。
 女の子とおじいちゃんは春も夏も秋も冬もいつも一緒にいる。
 けれど、おじいちゃんは死んでしまう。
 絵本ではこの場面はおじいちゃんがいつも座っていたソファだけを描いて(絵を描いたのはオーストラリア在住のアリソン・コルポイズという人)、添えられた文章は「おじいちゃんの物語は、もうきけない。」。
 絵本を読む子供たちが、「死」、愛する人がいなくなるってどういうことなのか実感できるのではないだろうか。
 この女の子はただ悲しんでいるだけではない。
 「おもいではきっと、いつでもあそびにいけるへやなんだって」気づく。
 思い出の中のおじいちゃんはいつもにこにこ、やさしい。
 そして、今度こそどこにもいかない。
 子供だけでなく、おじいちゃんおばあちゃん世代にも胸が熱くなる絵本だ。
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自信を持っておすすめしたい 星野道夫の写真から生まれた絵本    投稿日:2020/11/15
あるヘラジカの物語
あるヘラジカの物語 作: 鈴木 まもる
企画・原案: 星野 道夫
絵: 鈴木 まもる

出版社: あすなろ書房
 「それを見つけたのは十月初旬のことだった。」
 こんな文章で、写真家星野道夫が綴ったのは、『アラスカ風のような物語』所載の「あるムースの死」という短いエッセイだ。
 「それは絡まった角と頭蓋骨だけが残った、二頭のムースの姿だった。(中略)静止した風景が、ひとつの物語を語りかけていた。」

 この文には一枚の写真がついている。いや、写真があって文があるというのが正しいだろう。(写真はこの絵本の裏表紙で見ることができる)
 その写真に誘発されて、絵本が生まれた。
 書いたのは星野さんの友人でもあった鈴木まもるさん。
 「ムース」は「ヘラジカ」の別の呼び方で、同じ動物。
 星野さんが見て、感じた「ひとつの物語」を、鈴木さんもまた星野さんの写真で追体験することになる。
 闘う二頭の巨大な雄のヘラジカ。角がからみあい、やがて疲れた二頭を待っていたように襲うオオカミ。さらにそのオオカミを追い払い、冬季の栄養にありつこうとするヒグマ。
 さらには小さな動物たち、厳冬の地で冬を越そうとする鳥たち。
 鈴木さんは、最後に骨になったヘラジカの角の片隅にアメリカタヒバリの巣とひなを描いて終わる。
 
 「ヘラジカを追いながら、ぼくはまたさまざまな動物たちに出会った。ヘラジカがドラマをもっているように、それぞれの動物たちもまたそれぞれのドラマをもっているに違いない。」
 星野さんはまた別のエッセイにそう書いている。
 一枚の写真、一冊の絵本が読者に語りかける、それはドラマだといえる。
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自信を持っておすすめしたい 冒険してる?   投稿日:2020/11/08
岩波少年文庫 おとうさんとぼく
岩波少年文庫 おとうさんとぼく 作: e.o.プラウエン
出版社: 岩波書店
 2020年に創刊70周年を迎えた岩波少年文庫は今までに460点を超える作品を出してきたそうです。
その中でも、e.o.ブラウエンのこの作品はかなり異色といっていいと思います。
実はこれは漫画なんです。
岩波少年文庫に漫画があったなんて知らなかったので、少しびっくりしました。
しかも、1985年に初版が出ていて、2018年に新版として編集されているように、きっと子供たちに人気の高い一冊なのだと思います。

この漫画の作者e.o.ブラウエンは1930年にドイツに生まれました。
若い時の友人に児童文学の傑作『飛ぶ教室』を書いたケストナーがいます。(この本の巻末にはケストナーのエッセイも収められています)
e.o.ブラウエンがこの漫画を描いたのは1934年で、ナチが台頭してきた暗い時代です。
しかも彼は戦争が終わる直前ゲシュタポに逮捕され、死んでしまいます。
彼が残した漫画は楽しいけれど、そこには時代に犠牲になった作者がいたことを知ることも大切です。

この本の漫画はいわゆるコマ漫画です。
日本では新聞にあるような四コマ漫画がよく知られていますが、ここには四コマであったり六コマであったり決まっているわけではないようです。
登場するのはタイトルでもわかるように、頭髪が少ないお父さんといたずら好きの息子です。
なので髪の毛についてのギャグがたくさんあります。
ちょうど長谷川町子さんの「サザエさん」の波平さんとカツオくんの関係に似ていて、日本の笑いの感覚にとても近いのではないでしょうか。
こんなに楽しい漫画をありながらも戦争をしていた暗い時代。
やっぱり漫画は明るい時代に楽しみたいものです。
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自信を持っておすすめしたい 言葉は自由がおいしい            投稿日:2020/11/01
あきやさいの あきわっしょい!
あきやさいの あきわっしょい! 作: 林 木林
絵: 柿田ゆかり

出版社: ひかりのくに
夏野菜もいいですが、季節は秋。
 この絵本のように、旬の秋野菜を楽しみたいところ。
 まずはなんといっても、いも類がおいしくなります。
 さつまいも、じゃがいも、さといも。
 彼らが神輿をかつげば、「わっしょいも! わっしょいも!」と「いも」の連呼。
 次に現れたのが、野菜の神輿。
 担ぎ手は秋なすににんじn、それにごぼう。
 彼らの掛け声は「ヤッサイ! ヤッサイ!」。
 そこに「ちょっと まったけ!」と現れたのが、きのこたちの神輿。
 まつたけだけでなく、秋はきのこがおいしい季節です。
 「ちょっと まって くり!」と神輿をとめてやってきたのが、くだものたちの車。
 ぶどうにりんご、なしにくり。
 「くだものの のりものだもの」なんて、しゃれてます。

 こんなふうに言葉遊びがふんだんに盛り込まれているので、声を出して、リズムをとって楽しみたいもの。
 秋野菜が味わうだけでなく、見た目も季節を感じるようにです。
 作者の林木林さんは自作の詩を自身の朗読で競い合う「詩のボクシング」全国大会で優勝したことがあるのだとか。
 この絵本を読むと、言葉は自由に楽しむものだというのが実感できます。
 ちなみに、この絵本の絵を担当している柿田ゆかりさんは偶然柿つながりになったようです。
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自信を持っておすすめしたい 秋といえばやっぱり柿でしょう    投稿日:2020/10/25
しぶがき ほしがき あまいかき
しぶがき ほしがき あまいかき 著・絵: 石川 えりこ
出版社: 福音館書店
 「俳聖」といわれた松尾芭蕉の句に「里古りて柿の木持たぬ家もなし」とあるように、古くから柿の木はどこにでも見かける果物の木でした。
 なので、柿を愛する人も多く、正岡子規の有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」だけでなく、柿を詠んだ多くの句が残されています。
 柿には甘柿と渋柿があって、渋柿も「かじりたる渋柿舌を棒にせり」(小川軽舟)といったように親しまれています。
 この絵本のタイトルのように、渋柿は干柿にしますが、「柿干す」という言葉も「歳時記」には載っていて、「完璧なあをぞら柿を干し終へて」(佐藤郁良)といった句もあります。

 この絵本はおばあちゃんと一緒に干し柿をつくるお話です。
 石川えりこさんの絵はどうしてこんなに懐かしいのだろうと思うぐらい、この絵本で描かれる暮らしぶりも、自分が体験したものではないのに、こんな生活だったなあと思ってしまう、そんな作品に仕上がっています。
 子供たちが作る干し柿は「吊し柿」で縄に吊るして干します。主人公のちえちゃんはこれがうまくできなくて、洗濯物を干す道具を使っています。
 お兄ちゃんは「串柿」で柿を貫いて干すやり方です。
 家の軒舌に干し柿を吊るすと簾のようになるので、「柿簾」という言葉もあります。
 その様子も、この絵本では描かれています。

 このように私たちは昔から柿と暮らす生活に親しんできましたが、そういうのも段々薄れてきたのは寂しい。
 せめてこの絵本でそういう懐かしさを味わいたいものです。
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