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思いがけない難しい問題
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投稿日:2021/05/13 |
てんかんの少年の介助犬になった犬のアラスカを奪還したいパーケル。
てんかんを容認できず、かわいそうな少年と見られることに抗うスフェン。
二人の気持ちが交互に描かれる。読み始めた時には、あまりにひねくれたスフェンの気持ちにには寄り添えず、パーケルに同情の気持ちが起こった。
てんかんという病気の理解ということもだが、読み進めていくと犯罪目撃者の心の傷や、SNSの問題など思いがけない難しい問題も盛り込まれていた。
突然に困難が降りかかり身動きが取れなくなるというこの感じ、どこかで読んだことがあると思い、作者を確認したら『100時間の夜』のアンナ・ウォルツだった。
難解さはあるが、読み終えた後、登場人物たちと一緒に問題と取り組んできたという満足感がある作品。
課題図書に選ばれたこともあり、じっくり読み込んで向き合いたい一冊である。
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なすすべがない
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投稿日:2021/05/11 |
「被爆の森」というNHKスペシャルを見た。
原発事故から10年経った帰還困難地域では、この本にあるようにイノシシがわがもの顔で闊歩し、アライグマが増殖している。
手入することができない里山は自然のなすがままになり、力のある外来種が生存し生態系までも変えていく。
この本を見ても思うことは、なすすべがないということ。最先端の技術を持ってしても、除染には限界がある。
この10年、福島を定期的に訪ね、研究をし続けている研究者たちがいる。放射能汚染の現実は、こうした研究の結果を見ていくしかないのだろう。
この本は2015年に出版されているので、その後どうなったのか?永幡さんが記録を取り続けておられるのなら、その先を知りたいと思う。
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成長は痛みをともなう
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投稿日:2021/04/22 |
主人公の輝の気持ちが手にとるように描かれ、伝ってくるものが多かった作品。
ずっと続けてきた輝と母との決まりごと、母がベランダから手を振り、輝が答えるというもの。
家族の習慣は人それぞれで、思春期の発達も個人差があり、自分と人とは違うことを感じ始める年代。その短い年代を本当にうまく描いていると思った。
成長は、痛みをともなうものであり、その痛みを周りの人たちが温かく容認してくれる。
成長は、振り子のようなもので、今のままでいたい気持ちと今のままではいけないと思う気持ちの間で揺れるもの。
自分もかつて経験した小さな痛み、それは成長ということだったのだと思い起こさせてくれた。
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インドの子どもたち
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投稿日:2021/03/29 |
読み始めて、作者紹介を見たら『図書室からはじまる愛』のヴェンカトラマンだった。
父の暴力から逃れて路上で暮らす姉妹。主人公のヴィジは強気で賢く、姉のラクは何らかの障害があるが手先が器用。
カースト制の残るインド、路上生活を続ける子どもたちの生活は、生水を飲んだり、ゴミの中から食べ物を探したり、行きついた仕事は廃棄物の中からリサイクル品を探すこと。
ただ、仲間たちと助け合い、必死に生き延びようとし、物乞いは受けず気丈に振る舞う姿勢には、暗さはない。
子どもたちに未来と救いが感じられる結末にはほっとさせられるが、路上生活を送る子どもが何百万人もいるインドの現状には、一体何ができるのだろう。
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かわいいお話が多い
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投稿日:2021/03/21 |
6編の短編集です。
「王さまにおかゆのたべかたをおしえたむすめ」が、一番昔話らしい作りだなと思いました。
「大工のアンデルセンとクリスマス小人」「ちいさい男の子とクリスマス小人の列車」はクリスマスのお話なので、クリスマス時期におすすめしたいなと思います。
全体を通してかわいいお話が多い印象なので、5歳ぐらいから低学年のお子さんへの読み聞かせに向くかと思います。
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次はなんのお話?
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投稿日:2021/03/21 |
1年前に読み、最近読み直し「マルハナバチとネズミのおかあさん」のネズミは本当にひどいなって思いました。
「トム・ミラーとかげぼうし」は、主人公が影に翻弄されるあたり、子どもの頃に読んだ「影をなくした男」を彷彿とさせますが、トムがかげと隣で寝るところはほのぼのとした感じがあります。
「ディッコンのおはなし」は、いたずら妖精が出てきてイギリスらしいなと思いました。
6編のお話があり、タイプが違うお話なので、次はなんのお話?というワクワク感があります。
アトリーの子ども時代の豊かな自然を背景に感じながら読むと、一層味わい深いものになりそうです。
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工藤純子さん 好きです
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投稿日:2021/02/12 |
最後、涙ぐんでしまった。天馬と琴葉、幸せになってほしいな。
工藤さんの作品を読むのは三作目だが、本当に上手い。
琴葉の父が営む町工場を舞台に描かれる過去の戦争と現在。頭で考えることと、体で感じてしまう傷の深さは別物のことがあるだろうなということは天馬の祖母のエピソードを読んで思った。
何よりも、家族から弾き出された天馬を引き取り、家族同然に受け入れ守る琴葉の父の姿勢がかっこいい。仕事での筋の通し方の一徹さにも心打たれるものがある。
盛り込まれているものは、非常に重く考えさせられるが、それを琴葉の視点から描くことで、とても身近な問題として捉えることができる。
そして、最後涙と共に読んでよかったなと思えるって最高。
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2020年に出会った私の好きな子どもの本の中の1冊
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投稿日:2021/01/23 |
2020年9月、山本さんの待望の新作を購入して、ずっとレビューが書けずにいた。
その間、大人の小説であるが『朝が来る』『わたしの美しい庭』などを読んだ。
そして、思ったことは、生さぬ仲の子どもを育てるに至った背景と、
引き取るまでにとてつもない覚悟がいるということ。
私の好きなくだりは、お父ちゃんが香の心を傷つけた山口くんに引き取った経緯を話し始めるところだ。
この場面は、何度読み返しても、涙なしには読めないし、血のつながりに関係なく、子どもを全身全霊で守るということは、こういうことだと思う。
家族のあり方が多様化して、血のつながりがあっても不幸なケースはある。
いろいろ大人目線で感想を書いてしまったが、物語は明るく笑いもあり、本当に素敵な家族の日常が描かれている。
2020年に出会った私の好きな子どもの本の中の1冊である。
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共感できるキャラクター
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投稿日:2020/11/19 |
ハーフということで、右半身と左半身が違うという女の子。
半分が人間だから、完全な吸血女になれないことが悩みどころであります。
子どもたちにとっても、手先は器用だけど、運動神経は鈍いというコンプレックスってありますよね。
だから、カルメラにはとても共感しやすいのではないかと思いました。
ドタバタもしているけれど、前向きにコンプレックスに向き合う共感できるキャラクターです。
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迷いのない生き方
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投稿日:2020/09/09 |
一切の妥協がなく迷いもなく環境問題に取り組む姿勢に、心を揺り動かされる。
グレタを支える両親の姿勢には、見習うところが大きい。なんと感想を書いてよいのかわからないが、彼女が、一人のティーンエージャーが世界を動かしたことは間違いない。
彼女はこれからも環境問題について発信し続けていくのだろうな。この本を読んで、今できることを一人ひとりがやっているだけでは、まだ足りないということが、本当によくわかる内容だった。
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