「娘に将来読み聞かせをしよう」との思いで最初に購入した、我が家の記念碑的絵本です。
初めてこの本を娘に読んだのは生後三ヶ月のねんね時代で、読み聞かせの体をなしていませんでした。その後、自らリクエストをして『読み聞かせ』をせがむようになったのが、確か一歳三ヶ月位の頃だったと思います。この絵本に描かれたいろいろなものを、知識として吸収し始めていた時期です。
この本は原作タイトルが’ What can a hippopotamus be?’というアメリカの絵本です。オリジナルを手にしたわけではありませんが、どうも普通の文体で書かれていたものを、訳者が関西弁に翻訳したものだそうです。そうでもしないととぼけたカバ君の表情や仕草とマッチしなかったということでしょうか?アイデアとしては面白いですが、好き嫌いがはっきりする上に、関西出身以外の方には読み聞かせることが難しいくなるのでは思います。私は関西弁ネイティブなので、この絵本を読み聞かせるのに何ら苦になる点はありませんでしたし、むしろ関西弁で書かれていたことが購入のきっかけになりました。
お話はシンプルで、活字も少なく、テンポ良く展開することから、小さいお子さんでも退屈せずに聞くことができるはずです。読み聞かせの初級本といったところでしょう。また自分で読むことも容易な部類の絵本だと思います。ただし、やはり関西弁が理解できないと・・・。
絵もシンプルで、独特の雰囲気があります。これも好き嫌いがはっきりする点でしょう。個人的には「あっさりしすぎかなぁ」という印象ですが、それでもカバ君のユーモラスな雰囲気がしっかり伝わってくるところは見事です。
いろいろな職業を転々とした後、原点に帰るかのように「ここらでちょっとひとやすみ。ま、ぼちぼちいこかーということや。」で締めるあたりは、どちらかといえば子供よりも大人の心を捉えるのではないかと思ってしまいます。あるいは、失敗してもあきらめない気持ちや、行き詰まったときに一息つく心のゆとりといった、何か生き方のようなものを子供と一緒に語り合う教科書としても使えるのかもしれません。そう考えると、意外と長く使える一冊かも。