体が大きくてとっても重くて……そんなかばくんにぴったりなお仕事ってなんでしょうね。とりあえず、かばくんはやる気を出して、次々に挑戦してみますよ。
「ぼく、しょうぼうしになれるやろか。」
お! 消防服を着込み、ホースを手に走るかばくん。なかなか様になっていますよ。勢いよく梯子で駆け上がり……あれれ、梯子が重みで……。
「なれへんかったわ。」
まあ、仕方ない。船乗りはどうかな。
「どうも こうも あらへん。」
パイロットは? いや、バレリーナ? ピアニストにカウボーイ、サーカスのつなわたりは? 重量級のかばくん、何をやっても、何かが起きます。まったく上手いこといきません。
体が大きいだけじゃなく、その愛嬌のある顔つきから動作まで、どことなくのんびり、おっとりした雰囲気をかもしだすかばくん。何をやっていても、どんな目にあっていても、なんだかちょっと可笑しくて。そんな雰囲気を存分に引き出してくれているのが、今江祥智さんによる関西弁の翻訳です。しっくりハマり過ぎていて、かばくんは最初から関西人だったんじゃないかと思うほど。だからこそ、最後の最後に発するかばくんのセリフが読者に響いてくるんですよね。どうしようもなくて迷った時は。思いつくまでちょっと一休み。
「ま、ぼちぼちいこか。」
……と、いうことや。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
重量級のカバ君は、船乗り、飛行士、ピアニストと、次々に新しい仕事に挑戦しますが?。おかしな結末をユーモラスな絵で語ります。
以前幼稚園で働いている時に、子ども達によく読みました。3.4歳児は、あの大阪弁口調がたまらなくおもしろいらしくゲラゲラ大笑い!!5歳児になると子どもなりにつまづきや失敗で悩む事も多く、自分なりに頑張ろうと勇気づけられるようで、読み終わった後も本を広げて読んでいました。私は、時々頑張りすぎて苦しくなる自分に(ぼちぼちいこか)と語りかけたり、周りの方にプレゼントしたりします。頑張れ!!とハッパをかける事も時には必要ですが、『ぼちぼちいこう』という事も大切なんですよね・・・。
是非手に取って読んでみてください。 (ゆづママさん 30代・ママ 14ヶ月)
|