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
あめんぼの夫婦を食べた、かえるのじいさま。両親をじいさまに食べられた、あめんぼのおはな。ふたりの出会ったたんぼに、今、美しい雨の花が咲く…。食べることは生きること。食う食われるの関係は自然の摂理。でもときにはこんな出会い方もあるのかもしれません…。

切ないおはなしです。
かえるのじいさまが気まぐれに食べてしまったあめんぼの夫婦。
その娘のあめんぼが訪ねてきます。
「一目でいいから両親に会いたい」
むすめあめんぼを前に食べてしまいたい本能と、
可哀想なことをしてしまったという後悔で葛藤する
じいさま。
絵がすごいんです。
じいさまの表情・・無垢な娘あめんぼおはなの対比。
親を亡くしたおはなの気持ち。
命を頂くことで生きていくしかない生き物のせつなさ。
絵本だから、「大きく開けたお口からピョン!と両親が飛び出して
きました」なんて展開も予想したのですが、
そこはそんなふうに甘くまとめず、あくまでも切なくリアルに
終わるのです。
おめんぼおはなの前向きさに救われます。
真実から逃げない絵本です。 (10月さん 30代・ママ 男の子5歳)
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