「バスが来ましたよ」 この一言が、病気で全盲となった山崎さんの通勤を10年以上支えました。 声をかけたのは山崎さんと同じバスで小学校に通う、さきちゃん。さきちゃんが卒業してもその声掛けはさきちゃんの妹や他の子へと引き継がれ、続いていきました。
もしかすると、「その話知ってるかも」と思われた方もいるかもしれません。それもそのはず、これは実際にあった出来事で、テレビやラジオで話題にもなりました。この話をオンラインニュースで知った作者の由美村嬉々さんは「ぜひ絵本にしたい」と思い立ち、絵を担当した松本春野さんと一緒に、山崎さんの住む和歌山へ何度も赴いて取材を重ねたのです。
穏やかなタッチで描かれた子どもたちは、みんなやさしい笑顔をしています。ひょっとしたら山崎さんも、こんな風に心の中で子どもたちの姿を思い描いていたのかしらと想像すると、その心にそっと触れるような感覚になります。
実は、さきちゃんをはじめとする小学校の子どもたちは、自発的に山崎さんへの声かけを引き継いで、続けていたそうです。また、さきちゃんが通っていた学校と山崎さんが交流する中で、さきちゃんよりも先に山崎さんを支えてくれた児童がいたことや、いつも助けてくれる子がお休みのときは、別の子が助けてくれていたこともわかったそう。
思いやりのバトンを渡し続けてきた子どもたちの優しさ、そしてその親切に支えられた山崎さんの幸せな気持ちを、ぜひ絵本でかみしめてください。
(近野明日花 絵本ナビライター)
全盲になった男性が、小学生に助けられながら続けた、バス通勤。「バスが来ましたよ」その声はやがて、次々と受け継がれ…。小さなひとこと、小さな手。でも、それは多くの人の心を突き動かした。小さな親切のリレーの物語。
優しさのバトンを次々と繋いでいく、
そんな小学生たちに感動しました。
以前、主人公の山アさんの紹介をテレビで見て知っていたのですが、絵本になっているとは知りませんでした。
目の病気で視力を失ってしまったが、働き続ける決心をされた山アさん。私だったらどんな決断をしたかな、そんなことを考えながら読んでいました。
ある日、「おはようございます」とかわいらしい声が聞こえてきました。そして、「バスが来ましたよ」とお知らせもまでも。
それから毎日、小さな女の子はお知らせをし続けてくれました。
その女の子の優しさのバトンは、三姉妹の妹たちへ繋がれていきました。そして、それを見ていたお友達へとリレーされていき、10年以上続いたそうです。
自分が小学生の時にこんなことできただろうか、声をかけた小学生の優しさに触れ、うるっとしてしまいました。
私が読みたくて読みましたが、1歳の娘とも一緒に読みました。
話の内容はまだわからないと思いますが、優しいタッチの絵を微笑みながら見ていました。
娘が大きくなったら、また一緒に読もうと思いました。 (yui_ponさん 30代・ママ 女の子1歳)
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