人気シリーズ「ぎょうれつのできるおいしいえほん」8作目は……、えっ、アイスクリーム屋さんでもかき氷屋さんでもなく……「アイスクリームかき氷屋さん」? そうなんです。ひんやりあまーいふたつの食べ物がどうなるのか、ほっぺたが落っこちないように注意しながらページをめくってくださいね。
さて、おはなしのはじまりは、ぐうぐう山のテンさんのところに来た2枚の葉書。それぞれ北極に住むシロクマさんと、南極に住むペンギンさんからです。「シロクマアイスをつくったよ、テンさんにも食べさせてあげたいな」「ペンギンかき氷、いつかテンさんにもつくって差し上げたい」というそっくりの内容に、テンさんが嬉しくなってお返事を出すと、はるばる2人とも遊びに来ることになったのです! でもシロクマさんもペンギンさんも「ぼくのつくるアイスの方がおいしい」「わたしのかき氷の方がおいしい」と張り合ってばかり。困り果てたテンさんは、家に閉じこもってしまいます……。
一方、ふたりのためにぐうぐう山の材料を集めたくいしんぼうの住人たちは、テンさんの家の前で、アイスとかき氷の新しい食べ方を発明しちゃいます! 「レモンのかき氷にゆずアイス、みかんを添えて、ひよこのかき氷」なんて可愛いすぎませんか。他にも抹茶かき氷にあずきアイス、木苺かき氷といちごアイス、なんて心ときめく組み合わせがいっぱい。ニコニコ笑顔で、みんな仲良くほおばりあう姿に、思わずほっぺがゆるむこと間違いなしです。
滅多に怒らないテンさんの怒り方が愛らしくてちょっぴり見もの。みんなを和ませるひよこたちの活躍にも注目です。「ぎょうれつのできるおいしいえほん」シリーズはどの作品も素敵ですが、本書もまた、ほっこりするストーリーと、スイーツのカラフルな華やかさにワクワク。目を奪われるポイントがいっぱいでますますシリーズの虜になりそうです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
主役のテンさんをはさんで、シロクマさんとペンギンさんが、ひやっとつめたいおいしい対決!
北極のシロクマさんがアイスクリームで、南極のペンギンさんがかき氷、対極の二人が介して贅沢なお店がオープンです。
ライバル意識丸出しの二人ですが、どちらが美味しいか美味しくないかのお話ではないですね。
コラボ作品の数々に、お話より、まずは食べたくなりました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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