テスは6歳の女の子。庭にある大きな木は175歳。テスはその木が大好きで、いつも木といっしょに遊び、 木陰で休み、木に語りかけていました。木もテスの成長を見守っていました。けれど、ある日、嵐がきて、 木が折れてしまい…。そして、放っておいたら危険ということで、切りたおされることになってしまったのです。 大事な友人の喪失に耐えられないテスは、荒れ狂う感情をおさえられません。 最後の最後に友人のためになにかできないかと考え、お葬式をすることを思いつき……。 幼い子が、だいじな友人の喪失にきちんと向き合い、それを乗り越えていく姿が、 せつなく、そして愛らしく描かれた珠玉の絵本。
ピーター・H・レイノルズの表紙絵が目を惹きます。
邦訳はまた、最近レイノルズの訳が多い「なかがわちひろ」さんでした。
ペットの死や肉親の死を取り扱った本は、
絵本の世界でも結構ありますが、植物の「死」を生き物としてとらえた作品は珍しいものだと思います。
しかも、この絵本を読んでいると、主人公テスが、どんな風にこの木を大事に思っていたか、よくわかりました。
言葉や想いもしっかり伝わってくるし、周りの大人の対応も、
テスをバカにしたものが1つもなく、子どもたちに安心して届けられる絵本だなと、感じました。
レイノルズの画もはっきりしていて見やすいし、
活字もはっきりした少々大きめの字で書かれているので、読み語りなどにもお薦めです。
お薦めは、小学校2年生以上かな?
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子14歳、女の子10歳)
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