ももちゃんの、はじめてのピアノはっぴょうかいの日。 舞台のそでで、どきどきしながら出番を待っていると、足元から、こねずみが話しかけてきました。「だいじょうぶ だいじょうぶ!」「あたしたちもはっぴょうかいしてるの。ももちゃんも、みにおいでよ」こねずみに連れられて、奥の小さなドアを開けると・・・。
墨色の陰影のなか、浮かび上がるねずみたちや赤いドレスの女の子が、ぐーっとこちらに迫ってきます。 作者のみやこしあきこさんは、絵本一作目『たいふうがくる』でニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞、二作目『もりのおくのおちゃかいへ』で日本絵本賞大賞を受賞。 どの絵本も臨場感あふれるタッチで画面を描きだし、高い評価を得ています。
本作は、緊張している女の子を、こねずみが、自分たちの発表会に連れ出すというやさしいお話ですが、劇場を舞台に描かれるみやこしさんの絵は、やっぱり思わず胸が高鳴るほど魅力的です。 実はみやこしさんは、なんとハツカネズミを実際に飼って、絵を描いたそう。 どうりでねずみたちの毛並み一本一本、ひげの一本一本まで生き生きしてること! 客席に座るねずみたちの表情にも注目ですよ!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
今日はももちゃんの、はじめてのピアノはっぴょうかい。 舞台のそでで、緊張しながら出番を待っていると、こねずみが話しかけます。 「わたしたちも、はっぴょうかいしているの。みにおいでよ!」ちいさなドアの向こうには、サーカス・手品・バレエ、 ねずみたちが楽しそうにはっぴょうかいをしています。ももちゃんも楽しくなってきて......
ピアノの発表会で出番を待つももちゃんの緊張感が呼び起こした幻でしょうか。
ももちゃんの招かれたねずみの発表会の、観客たちの描かれ方がとても素敵でした。
演目もさることながら、人間的な表情の中に見入ってしまいました。
ねずみの発表会の盛り上がりと、気づけば現実の世界でピアノを弾いていたというももちゃんとが、交じりあったラストも楽しく感じられました。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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