2003年刊行。だるまちゃんが魚釣りに行ったら、天神ちゃん3兄弟と出会って友達になるお話。
後書きもあるが、天神様とは、菅原道真公をお祀りした神様。生前、悲運な人生を送り、死後、祟りをして恐れられた…という話を多く目にする。でも、この絵本では、筆者は素敵な人柄を生かし、質素で温かい家庭生活を送る人として描いている。
天神の印象ががらりと変わった。
実際に道真公が生きている時には、叶わなかった(?)、平和で温かい家庭生活がずっと続いていく様子が見られてよかった。
一家でお互いに仕事を手伝いあい、助け合いながら、友達にも優しくして、交流を広げ、至って平和に生涯を送るなんて、素敵だ。
物語としては、祟りや左遷などのドラマチックな要素があった方が盛り上がるのかもしれないが、今(2022年)、社会がいろいろな不安要素でいっぱいの時期は、逆にこの至って平和な話の方がありがたく感じる。
理想の家庭生活だと思った。