「おうかんはだれのもの」 みんなの声

草むらに落ちていた数個の王冠を巡ってのお話でした。

王冠をかぶっているというだけで周りの態度が変わる様子が人間社会みたいで、こっけいでした。
そして、王冠は一つだけではなかったのですね。

王冠をかぶった動物たちが誰が一番偉いのかと競い合ったりしなかったところに作者の性格が表れているようで、好感が持てます。

それから、ラストの物憂げな静かさになんだかほっとして、クマとネズミの友情を好ましく感じました。

タイトルが金色に光る装丁が素敵で、手に取りました。
表紙を開くとすぐに、金箔のネズミのイラストが登場し、ワクワクした気分になります。
草むらでキラキラと光る王冠を見つけたネズミが、頭に乗せてみると、周りの動物たちが「おうさまなの？」と集まってきます。
中身はほとんどモノトーンで描かれているのですが、とても優しいタッチのイラストで、大人も癒されました。お話も優しくてほっこりします。

図書館で新刊として置かれていたので拝借してきた一冊です。明るい色味がないので、しまってある本棚からなかなか子供たちの手に取ってもらえませんでしたので、ママが読む本決めるね?と言って読み聞かせしました。
ヘビが王冠を手にしたときに流れた不穏な空気に6歳娘は、ネズミは自分だけが王様でよかったのにって思ってるよーと言っていて、そういうことも感じ取れるようになったんだな、と成長を感じました。
最後のネズミとクマのやりとりがなんともあたたかくてよかったです。

ネズミがくさむらで王冠をみつけました
ぴったりで　おうさまのようです

クマが「おうさまですか」とたずねました

森のカラスやカメたちも　王様をたたえました

でもキツネが「おしばいをしたらどう」と提案

このおしばいはなかなかおもしろい

そのうち　カメもヘビも　カラスも　キツネも王冠を見つけたんです

みんな有頂天です　でも・・・　クマだけは王冠がありません
悲しそうなクマに　ネズミは　たんぽぽの王冠をくまにかぶせてあげたのです
子の優しさが　いいな〜

クマもネズミも嬉しそう　夕日を見つめて・・・・ほっこり
これこそ友情ですね

ほっとしました　ラストがいいですね〜
絵も優しくて素敵でした

「きみのうたをきかせて」が良かったので、読んでみました。同じ動物たちがでてきます。おうかんをひろったネズミ。かわる動物たちの様子が、風刺っぽくもあります。…どうなることかと思いましたが、今回もクマとネズミの関係にほっこり。「きみのうたをきかせて」と、共に読んでみたらいいかもしれません。