おじさんの傘は、とても立派なんです。
黒くて細くてぴかぴか光った杖のような傘。
ところが、おじさんは傘が大事すぎて、傘を使おうと
しないんですよね。
傘を持っているのに使わないおじさんの姿が
とてもおもしろおかしく描かれています。
あまりにも大事にし過ぎると、本来の物の役割が果たせていない、
使いこなせていないってことがありますよね。
これはまさにそういう状態。
本来の役割を果たしてこそ、そのものの価値がありますよね。
おじさんの傘も、宝の持ち腐れで終わってしまうのか?と思いきや、
あるきっかけで新たな魅力を発揮していきます。
使ってこそなんぼ!使われてこそなんぼ!
ちょっと大袈裟かもしれませんが、使う側と使われる側の立場を
うまく表現されているように感じました。
おじさんの奥さんがびっくりして発した、
「あら、傘をさしたんですか、雨が降っているのに」の言葉に
大笑いさせてもらいました。