「ルース・クラウス」はアメリカを代表する詩人で、劇作家で、児童文学者だったそうです(没1993年)。
そのルース・クラウスの詩に、同年代アメリカで活躍されたマリー・ブレアが挿絵を手掛けた作品で、
邦訳は谷川俊太郎さんです。
日本ではこの《クラシックセレクション》(講談社)というシリーズで紹介されるまで、
知られていなかったようですが、アメリカでは1951年の発行以来読み継がれてきている絵本だそうです。
なんと、この詩には曲もついていて、ページをめくると中表紙の横に楽譜が載っています。
タイトルの文字のロゴにもこだわりがあって、字の中に小さな青いお花がチラチラ描かれていて
オシャレ感があります。
こんなオシャレな作りの本を60年くらい前に作られていたことにまず、驚きました。
またマリー・ブレアの絵が素敵で、主人公の女の子が各ページの「詩」に合った装いと表情で、とても生き生きと描かれています。
私が気に入ったページは
『はりはり たべる やぎの つもり』
と
『つんつんつん くちばし つん』
それに
『あなの おうち もぐらのおうち』
のページかな〜。
どれもたわいもない日常の一コマが描かれているのですが、すごくナチュラルで楽しそうな世界がそこにありました。
3,4歳くらいからの低年齢向けのお話会などでも使えそうです。
言葉は簡潔で、絵もはっきりしていて見やすいのですが、せっかく素敵な世界が描かれている作品なので、あまり小さすぎるお子さんよりも、語彙が増え、集団生活にも慣れ始めるこのくらいのお子さんたちから読んであげてほしいなぁと思いました。