「なんで おとうさん、なんにも いわないの?」
初めてこの絵本を読み聞かせた時に、4歳の娘が呟いた一言です。
「何でなんだろうねぇ。」
と私が答えると、うーんと考えて、
「わかんない。」とにこっと笑いました。
そしてこの絵本を抱えて夫の方へ走り寄り、
「こんどは とーしゃん よんで。」
と、読んでもらっていました。
どうやら気に入ったようです。
なんにも言わなくても、おとうさんがすーくんを心から愛していることが伝わっていたんだろうなと思います。
母である私では、こうはいかないなぁ。
憧れはあるけどなぁ。
あれやこれやと言いたくなるのはぐっと堪えることができるかもしれない。
でも、『こわいよ おかあさん どうやっておりるの?』なんて言われたら、「おいで。大丈夫だよ。」と、ぎゅーっと抱きしめたくなってしまう。
こんなに静かに、揺らぐことなく力強い父性を夫も発揮する時が来るのだろうか。
いつも穏やかで頼りなく感じることすらある夫が、娘に「きは なんにも いわないの」と語りかける姿を見ながら、そんな事を考えました。