りすが小鳥の卵を暖め育てます。ことりは、りすが母親ではないことに次第に気付き、いなくなります。りすを待って待ち続けたりすは小鳥になります。息子は「これってうその話じゃん。りすが鳥になるわけないじゃんね」ととても現実的な反応を示しました。
浜田廣介の作品です。元々のお話は、子どもがいなくなった母親が泣き叫ぶうちに鳥になったというお話だそうです。
りすは、母親のような気持ちで小鳥を育てていたのでしょう。りすと小鳥、決して出会うことのない親子関係。無償の愛をそそぐりす。りすは報われようと小鳥を育てたわけではないと思いますが、突然子どもがいなくなるというのは、親としてはとても悲しい出来事です。
息子は「いもとようこのお話って、悲しいお話が多いね。『そばのはな さいたひ』(こわせたまみ)もさ、うさぎが死んだよね」と。
「うその話」と言った息子にも、悲しいお話であることは伝わったようです。廣介童話を読むのは「ないた赤おに」「こりすのはつなめ」に続いて3作目。子どもの心にはどんな形で残っていくかはわかりませんが、印象的な話であったことは間違いないようです。
小鳥の卵を暖めるりすの姿からは母親の愛情が伝わってくるようです。海外の絵本もよいものがありますが、こうして日本の名作を読むのもいいものだと思います。
他にも、いもとようこが廣介童話の絵を描いている本があるようなので、読んでいきたいと思います。