宮沢賢治は このお話を心を込めて書けたのですね
なめとこ山の風景が感じられて 淵沢小十郎の仕事は くまを殺して 熊の皮と胆(肝)を売るのです
熊は小十郎のことをなぜか好きなのです この関係は賢治描方が心を和ませてくれます
それでも家族を養うための仕事ですから 熊を殺します
親子の熊をそっと見守る 小十郎の優しさ
荒物屋へ熊の皮を売りに行くときの小十郎の気弱さも 人柄が感じられます
賢治はこの時荒物屋のことを小十郎をうまく操っていることをじつに癪にさわってたまらないと書いています
賢治の気持ちがよくわかります
ある時熊が殺すのを待ってほしい 2年したら自分の命を小十郎のもとへ来る とのくだりも 泣けてきます
熊と小十郎の信頼関係ならではですね
ラストはまた泣けます
小十郎は鉄砲で撃たれて 座ったように死んでいる
その周りをかこんでいるのかなあ? 熊たちの姿の思えます
あべ弘士さんの絵は 迫力と優しさの感じられる賢治とこころに寄り添っています