『まほうつかいのでし』はゲーテの詩が基になっているというお話。
いろいろな絵本があるけれど、不思議と取り上げ方がそれぞれに違う。
魔法使いの弟子が、魔法使いの留守の間に、覚えた呪文を使ってみるのだが、呪文の解き方が判らない。
帰ってきた魔法使いが魔法を解くのだが、魔法使いの弟子に対する態度が違う。
弟子の、魔法使いに対する気持ちもいろいろである。
この本はというと、魔法使いが帰ってきてめでたしめでたし。その後の話はない。
魔法使いが出かけるところも出てこない。
他の『まほうつかいのでし』に対して少し物足りなさを感じた。
絵もあまりピンとこない(失礼!)。
けれどこの本の面白さは文のリズム感。
子どもたちはリズム感のある文が好きである。
五七調で整えられた文章。
このリズム感は軽快である。
小さな子に読むのに適した本かと思う。