この絵本の企画がいつからあったのかは知りませんが、
出版されたのはくしくも2011年3月11日の震災後の5月でした。
この作品の中で起きている地震や津波は少し前に起きたタヒチ沖地震ではないかと思うのですが、
時期が時期だけに、残念ながらとても重い作品となってしまいました。
「みずたまり」を見て、自身や津波の被害にあった地域を思い出すという少年の心の動きは、素敵に表現されていますが、その描き方が素晴らしいばかりに、読み手にはややきついものがあります。
この話、できたらもう少し違く形で作品として読みたかったです。
裏表紙の少女が空を見上げている絵はとても心に残りました。