食べ物や動物などABCを利用してテーマの対象物を紹介する絵本はたくさんありますが、これはアジアを紹介するABC絵本です。
一口にアジアと言っても日本周辺からユーラシア大陸を経てアラブ諸国の辺りまで、面積は非常に広範囲。この絵本はABCを利用して、そのアジアを知ろう!と試みた絵本です。「A is for Asia」で始まって、「B is for batik(インドネシアの染物)」「C is for camels」など、各地方特有の文化、風習が落ち着いた色合いのかわいいイラストとともに紹介されています。それぞれのページにはその国で使われている文字も合わせて載っています。ちなみに日本関係は「O is for origami」と「Z is for Zen」。
作者は東アジア研究をする中国系米国人で、自分の娘にアジア文化を知ってもらおうとこの絵本の企画を思い立ったそう。イラスト担当のユミ・へオは人気韓国人絵本画家。米国ではいろんな絵本のイラストを担当しています。
子供に語りかけるわかりやすい英語と楽しいイラストで、アジア文化の豊かさや彩りが楽しく理解できますよ。
こぶたのベニーは散らかすのが大好き。何でもきれいにしてしまうお母さんに反抗して、お人形のぶうちゃんと一緒に家を飛び出してしまう。途中いろいろあるけれど、最後はやっぱりお母さんのいる家がいいなと子供らしく戻るベニー。それを迎えるお母さんの一言が素敵でした。
ベニーの作品はシリーズで他にも出ています。特に「Benny and the Binky」はこちらの某児童書評誌で最高レベル(1)の評価を受けていたので必見。この書評誌で評価(1)を得るのはそうそうないことなので、日本語版が出ていたら絶対見てみたいと思っています。
息子はベニーのイラストに一目ぼれしたようで、喜んでいました。小さな子供の気持ちを何気ない生活設定の中で描き、なおかつイラストも魅力的なので、今後人気が高まるのではと踏んでいます。
それにしてもブタちゃんって、散らかしたり汚したりすることが大好きなのですね。ここでも泥んこだらけになる場面がありました。