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自信を持っておすすめしたい あの詩が絵本になるなんて  投稿日:2022/01/04
にじゅうおくこうねんのこどく 二十億光年の孤独
にじゅうおくこうねんのこどく 二十億光年の孤独 作: 谷川 俊太郎 藤代 勇人
絵: 塚本 やすし

出版社: 小学館
谷川俊太郎さんの詩の絵本です。
 しかも、ひらがな表記されていますが、これは谷川俊太郎さんが詩人として鮮烈なデビューとなった「二十億光年の孤独」を絵本にしたものなのです。
 谷川さんがこの詩を収めた詩集『二十億光年の孤独』を刊行したのが1952年。1931年生まれの谷川さんはまだ20歳の青年でした。
 若い詩人の登場に、三好達治は「ああこの若者は/冬のさなかに永らく待たれたものとして/突忽とはるかな国からやつてきた」と推賞したといいます。
 そして、おそらく三好以上に、同世代の若者たちがその詩に感銘を受けたにちがいありません。
 この詩が持っている、日本文学史上の衝撃は、それ以降何十年にもわたる詩人谷川俊太郎の活躍を予感させるに十分だったともいえます。

 試みに、岩波文庫版の『自選 谷川俊太郎詩集』に掲載された詩と、この絵本で描かれた詩を読む比べてみてごらんなさい。
 これが同じ詩なのか、わからないくらいです。
 原詩は漢字表記もまじります。例えば、「万有引力とは/ひき合う孤独の力である」といったように。
 それがこの絵本では、「ばんゆういんりょくとは/ひきあうこどくのちからである」となります。しかも、その字体が普通の活字体ではなく、手書きの袋文字に近い独特なものです。
 絵本ですから、絵がありますが、そこに何故かラーメンの世界が描かれます。メン、ナルト、ネギ、メンマ、チャーシュー。
 絵を描いた塚本やすしさんにとって、「孤独」とはそんなラーメンの世界につながっているのかもしれません。

 誰もが自由に「孤独」と向き合う。これはそんな詩の、絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 立った! 歩いた! 転んだ!   投稿日:2021/12/26
みんなあかちゃんだった
みんなあかちゃんだった 作: 鈴木 まもる
出版社: 小峰書店
絵本作家の鈴木まもるさんの講演を聞く機会がありました。
 鈴木さんはお話をされながら、そばにあったホワイトボードにすっと絵を描かれる。
 絵本を描く人なのだから自然なのかもしれませんが、とっても感動しました。
 そのようにして、鈴木さんが生まれてきたお子さんの表情もすっと絵にして残されていたうです。
 それがこの絵本のもとになりました。
 なので、この絵本には赤ちゃんの本当に自然の表情がたくさん載っています。
 今子育て中で奮闘されているパパやママはもちろん、すでに赤ちゃんの頃の子育てを終わっている世代も、そうだこんなことあったなと、まるで自身のアルバムを開くように楽しめます。

 この絵本のタイトルは「みんな あかちゃんだった」ですが、その前にこんな言葉がついています。
 「世界じゅうにたくさんのひとがいるけれど さいしょは……」。
 そう、この絵本を読む人もみんな赤ちゃんだったのです。
 いじめであったり児童虐待であったり、世の中にはたくさん悲しいことがあります。
 でも、どんな人も「みんな あかちゃんだった」のです。
 よだれをいっぱい流したはずだし、はいはいもしたはずです。
 立ち上がっては転び、泣きながら眠ってしまったこともあったはず。
 そのことを思い出すだけでも、少しは優しくなれるはずです。

 それにしても、こうして絵として子供たちに残せるものを作れるのですから、絵本作家は素敵な才能です。
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自信を持っておすすめしたい この絵本、いつ読むのがいいだろう?   投稿日:2021/12/24
サンタクロースが二月にやってきた
サンタクロースが二月にやってきた 作: 今江 祥智
絵: あべ 弘士

出版社: 文研出版
 困ってます。
 この絵本、いつ読むのが正しい読み方だろうかって。
 何しろタイトルに「サンタクロース」ってあって、お話にもサンタのおじさんが登場するのですから、やっぱりクリスマスの季節に読むのがいいのかな。
 でも、タイトルには「二月」とも入っていて、お話でも動物園のライオン親子のオリにサンタおじさんが飛び込んでくるのがクリスマスも終わった二月なのだから、やっぱりその頃に読んで、二月に迷い込んだおかしなサンタを笑う方がいいのかな。

 そもそもどうしてサンタさんは二月になってもうろうろしていたのか。
 サンタさんの言い訳を聞くと、「クリスマスが終わって北に帰るところ、そりもトナカイも子供たちにやってしまった」というから、のんきというかおおらかというか。
 そんなサンタさんにライオンの子供が贈り物をねだるのですから、子供って無邪気。
 そりさえ持たないサンタさんは困って、動物園の外の雪を見て思いついたのが、サンタさん手製の雪だるま。
 ところが、せっかく作っても、何度作ってもオリに運ぶと溶けてしまう。
 オリの中はスチームで温かくなっているので。
 そこでサンタさん、自ら雪だるまになることにしたのですが…。

 こんな健気なサンタさんを見てると、やっぱりこの絵本はクリスマスに読むのがいいかも。
 そして、そりやトナカイまでねだるのはやめにして、サンタさんが北の国にちゃんと帰れるようにしましょうね。
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自信を持っておすすめしたい クリスマスには欠かせない児童文学の名作  投稿日:2021/12/22
岩波少年文庫 飛ぶ教室
岩波少年文庫 飛ぶ教室 作: エーリヒ・ケストナー
訳: 池田 香代子

出版社: 岩波書店
日本ではドイツの児童文学者ケスナーが発表したこの作品のタイトルをつけた児童文学向けの雑誌まで出ているくらい、児童文学の古典にして名作の評価が高い作品である。
 この作品が書かれたのは1933年、ドイツではナチスが政権についた年で、出版も厳しい状況にあったという。
 それでも、この作品が戦時下も、そして戦争が終結したあとも、あるいは世界が経済至上に邁進した時であっても、長く読み継がれてきたのであるから、それは児童文学の域を超えて立派に古典文学として評価されているといっていい。

 物語の舞台は、ドイツのギムナジウムの寄宿学校。
 クリスマスを前にした数日間の出来事が描かれる。
 主な登場人物は、5人の少年。「飛ぶ教室」というのは、この5人がクリスマスのパーティに公演しようとしている演劇のタイトル。
 5人の少年を中心に、他校との決闘騒ぎや仲間のうちの一人で弱虫と思われていたウーリの無謀な行動、少年たちを温かく見守る「正義さん」と呼ばれる教師、その「正義さん」が少年時代の友達との再会、と物語は多層的にできている。
 中でも、リーダー格のマルティンが貧しさゆえにクリスマス休暇に帰省できなくなるエピソードは多くの読者の心をうってきたに違いない。

 そして最後には流れ星に家族や友人、教師たちの幸せを願う少年の姿は、やはりこの物語がクリスマスなればこその作品だと思わざるをえない。
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自信を持っておすすめしたい 鳥たちの声を聞こう  投稿日:2021/12/19
ぼくの鳥の巣絵日記
ぼくの鳥の巣絵日記 作・絵: 鈴木 まもる
出版社: 偕成社
「山のなかにくらして20年がたちました。」
 これは、2005年に刊行されたこの絵本の「あとがき」の冒頭の文章です。
 1952年東京に生まれた鈴木まもるさんは、1986年に伊豆の山の中に引っ越します。そこを起点にして絵本作家としての活動をしてきました。
 同時に山の自然と触れあう中で鳥の生態やその巣の形状などに関心を持つようになり、この絵本が誕生しました。
 この作品で講談社出版文化賞絵本賞を受賞しただけでなく、広く鳥の巣研究者として名前が知られるようになりました。

 この絵本は山の中の一軒のおうちが左のページの真ん中に描かれています。
 その構造は同じで、その家を囲んで山であったり近くの木々であったり家の前の畑で育てられている野菜であったりが四季折々の変化を見せてくれます。
 そして、右のページにはそんな風景に訪ねてくる鳥たちの様子が描かれています。
 ホオジロ、ヤマガラ、メジロ、ツグミ、ウグイス、ヒヨドリ…。
 鳥たちのさまざまな様子がわかります。

 春から夏にかけて、鳥たちは巣作りを始めます。
 高い木の枝に作るもの、草原のなかに作るもの、川の護岸のすきまに作るもの、鳥たちの種類によって違います。
 巣作りの材料も、枝であったり苔であったり動物の毛であったりさまざまです。
 それらを鈴木さんは丁寧に描いています。
 鈴木さんはあるインタビューで「絵本づくりも鳥の巣も、小さな命の心が育つという点では、同じものなんだ」と語っています。
 そんな鈴木さんだから描けた「絵日記」です。
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自信を持っておすすめしたい 絵本の名作の誕生  投稿日:2021/12/05
よあけ
よあけ 作: あべ 弘士
出版社: 偕成社
舞台は極東シベリアの原生林の間を縫う大河ビキン川。
 「黄金の9月」と呼ばれるほど、森の木々は赤や黄色に染まっている。
 その川を下る小さな舟に、村一番の漁師のじいさんとわたしが乗っている。じいさんが獲った獣たちの毛皮を町に売りにいくのだ。
 夜になって、二人は岩山に身を寄せる。
 火にあたり、お酒を飲み、じいさんの話を聞く。
 大きなトラの話、イノシシ同士のケンカの話。
 夜は更け、空には満天の星。

 朝。
 目覚めるとあたり一面、真っ白な霧に覆われている。
 そして、二人はまた舟に乗って町をめざす。
 霧に浮かぶ二人の影。
 「わたしのうしろを、舟がつくる波がついてくる。」
 やがて、霧がはれ、陽の光があふれたその時。

 読者は開いたそのページに、きっと息をのむだろう。
 黄金色で描かれた、よあけの世界。
 きっと世界は、朝になると新しく生まれ変わるに違いないと、確信できそうなそんなページ。
 絵本作家あべ弘士さんは、なんと素晴らしいことを描き、教えてくれたのだろう。
 おそらく長年、生き物とともに生きてきたその果てにある、世界の生まれ変わりへの確信だと思う。
 同時に読者は、映画にも絵画にも小説にも音楽にも劣ることのない、絵本の力を実感するだろう。

 絵本の名作が、ここにまた一冊誕生した。
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自信を持っておすすめしたい ずっと戦争のない、美しい秋を願って  投稿日:2021/11/21
秋 著: かこ さとし
出版社: 講談社
「敗戦のとき、僕は十九歳でした。」
 こんな書き出しで始まるのは、絵本作家かこさとしが子供たちに残したメッセージ『未来のだるまちゃんへ』の「はじめに」の文章です。
 その文章の中で、かこはかつて軍人を希望しながらも近視が進んでなれず、一方で軍人を志した同級生の多くが戦死し、絶望の淵にあったことを告白しています。
 そんなかこを救ったのが、子供のためにできることをしようと決意したことだったのです。
 かこは、昭和二十年から自身の人生が始まったのだといいます。

 この絵本は、「ちいさいときから、秋が大好き」だったかこが昭和28年に描いた作品です。
 タイトルの「秋」には、かこには珍しくピンクのクレヨンが使われていました。
 そんな色やタイトル、あるいは書き出しの秋の魅力を描いた数ページとうってかわって、この作品は戦争への嫌悪を描いた、かこの思いが強く出た反戦絵本といえます。
 敗戦間近の19歳の秋、かこは盲腸炎で入院をしていました。
 そこで、お世話になった医師が軍隊に召集され戦死することやアメリカの戦闘機と戦った負けた日本兵が落下傘が開かず墜落する様などを体験します。
 かこは思います。
 「青い空や澄んだ秋晴れは、戦争のためにあるんじゃないんだ。」と。
 最後のページには、戦争のない秋に咲く美しい秋桜が描かれています。
 それこそが、かこが願った世界でした。

 絵本の最後に、かこの長女である鈴木万里さんがこの作品の出版にいたる経緯を記しています。
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自信を持っておすすめしたい これは「異能」の絵本といっていい   投稿日:2021/11/14
えんとつ町のプペル
えんとつ町のプペル 著: にしのあきひろ
出版社: 幻冬舎
 「異能」というのは、人より際立った能力とか、一風変わった能力をいうが、漫才界ではやはり小説『火花』で第153回芥川賞を受賞した漫才コンビピースの又吉直樹さんがその筆頭と思っていたが、この絵本の作者西野亮廣さんも又吉さんに負けない「異能」の人だ。
 西野亮廣さんはキングコングという漫才コンビで活躍、その一方で絵本作家として活躍している。(絵本作家の時は、にしのあきひろとひらがな表記になっています)
 この人たちの活躍を見ていると、才能が政治や経済、あるいは文化といった世界だけでなく、色々な世界で開花していることを実感できる。
 まさに多様性の時代なのだろう。

 この絵本は2016年に刊行され、2020年の12月にアニメーションン映画となって公開されている。
 映画の方を先に観た人は、この絵本に物足りなさを感じるかもしれない。しかし、2時間近い映画だから、新しいエピソードが追加される(中でもえんとつ町がどうして出来上がったかは映画の方が詳しい)のも仕方がない。
 絵本の方は、物語の核が描かれていると思えばいい。
 そして、この絵本でも主人公の少年ルビッチと死んだ父との交流が短いページ数でもしっかり描かれている。

 西野亮廣さんが「異能」であるように、この絵本自体も一風変わっているといっていい。
 巻末に映画のエンドロールのように「スタッフ」を紹介するページがあって、西野さんの名前には「絵・文・監督」とあり、以下たくさんのスタッフの名前が書かれている。
 つまり、この絵本は従来の絵本とはまったく違う制作過程でできあがっているということだろう。
 これも、また新しい試みといえる。
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自信を持っておすすめしたい 新しい自分を求めて   投稿日:2021/11/07
オレゴンの旅
オレゴンの旅 作: ラスカル
絵: ルイ・ジョス
訳: 山田兼士

出版社: らんか社
表紙の、黄金のように輝く麦畑の中を行く一頭のクマとその肩にのるピエロの姿を見て、一瞬でぎゅっと心をつかまされる。まだ本も開いていないのに、彼らが明日に向っているのを感じさせる絵だ。
 この絵本のことを作家で子どもの本の専門店「クレヨンハウス」を主宰する落合恵子さんは、「誰かの心の奥深くにひっそりと生き続ける一冊」と、『明るい覚悟』という本に書いています。

 主人公はサーカス団にいるピエロのデュークと、クマのオレゴン。
 ある時、オレゴンがデュークにこう話しかけます。
 「ぼくを大きな森まで連れてっておくれ」
 彼らはピッツバーグという大きな街を出て、アメリカ横断の旅に出ます。
 クマとの旅も変わっていますが、デュークの姿も変わっています。
 何故なら、白い顔に赤い鼻というピエロの姿のままなんですから。
 麦畑の中を行く二人、雨の中を行く二人、トラックに乗せてもらう二人、貨車に乗り込む二人、そしてついに彼らはオレゴンのいっていた「大きな森」に着きます。
 その時、この絵本にこんな文がついています。
 「あの長いとらわれの日々を、すべてわすれられるのです」。

 サーカス団にいた日々はクマのオレゴンにとって、自由のないとらわれの時間だったのです。
 オレゴンは自分をとりもどすために森をめざす旅に出たのです。
 そして、ピエロのデュークもやっと気づくのです。
 ピエロの衣装を脱ぎ捨てることに。
 ラスト。雪の中を今度は自分のために一人旅立つデュークの後ろ姿。その後に、彼が捨てたピエロの赤い鼻がポツンと転がっています。
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自信を持っておすすめしたい キャベツ、まるごとドーン  投稿日:2021/10/31
きゃっきゃ キャベツ
きゃっきゃ キャベツ 作: いわさ ゆうこ
出版社: 童心社
野菜売り場に行くと、どんな季節であってもさまざまな野菜が並んでいます。
 夏野菜の代表でもあるキュウリにしても、寒い冬にも売り場にちゃんと並んでいたりして、野菜売り場で四季を感じることは少なくなりました。
 この絵本で描かれているキャベツもそうで、まるで一年中ありますみたいな顔をして売り場に並んでいますが、本来は冬野菜です。(春になれば、ふんわかした春キャベツがでます)
 なので、せっかくならば、一番おいしい季節に食べるのがいいですね。

 キャベツはアブラナ科の野菜です。なので、冬に収穫しないで春まで放置しておくと、真ん中から茎が伸びてきて、黄色い菜の花が咲きます。
 この絵本でも、おしまいの方で背が伸びて花を咲かせたキャベツが描かれています。
 キャベツの花などは普段あまり見ることがありませんから、いわさゆうこさんの丁寧な細密画は子供たちには貴重な視覚学習となります。

 この絵本では、キャベツの仲間たちも描かれています。
 芽キャベツはかわいいキャベツ、むらさきキャベツはちょっとドキッとする色をしています。
 青汁でおなじみもケールも仲間。
 驚きはハボタンもキャベツの仲間だったこと。食用ではなく観て楽しむもの。花キャベツと呼ばれているらしい。

 まるごとキャベツを手にすると、その重さにうれしくなるかも。
 この絵本を読んで、キャベツが大好きになるといいね。
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