 「おれたち、ともだち!」絵本 レビュー大賞決定!

もう11冊目にもなるんですね!キツネとオオカミのコンビでお馴染みの「おれたち、ともだち!」シリーズ。二人の様々なやり取りを通して、「ともだちって何だろう」そんな素朴な疑問に答えてくれているようで、どのお話も心に刺さるのです。 それにしてもこのシリーズ、読めば読むほどオオカミの人間クサイ(!?)キャラクターの魅力にどんどんはまってしまいます。特に今回は、そのあまりの不器用さ、一生懸命さに泣けてきちゃうんです。 いつもキツネやオオカミが楽しそうに遊んでいる様子を遠くから見ているコダヌキ。仲間に入りたいと思っているのですが、オオカミが怖くてなかなか勇気が出ない。一方でコダヌキが仲間に入ってこられない理由を知ったオオカミは大ショックを受けて・・・。 まあ、確かに小さなコダヌキから見たら、オオカミなんて怖いに決まっていますよね。迫力あるし、笑った口から牙なんかがちらっと見えちゃったら・・・。 でも、そこでオオカミは悩むんです。真剣に、一生懸命に。 「強くて優しい」オオカミになろうと、「乱暴者で弱虫」になっちゃだめだと。 その奮闘ぶりがこの絵本の一番の山場。 お互いを理解するって、時にはとても大変で、遠回りをしたりもするけど、でもやっぱりそういうやり取りってとても大切なことだよなぁ、と改めて感じてしまいます。 それぞれの可愛い奮闘振りを楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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『ともだちや』にはじまる、大人気「おれたち、ともだち!」絵本シリーズ11冊目になる、 最新刊です。
今回はあたらしい友だちコダヌキが登場。コダヌキはキツネやオオカミたちが楽しそうに 遊んでいる様子をみて、仲間に入りたいなあ…といつも思っていますが、するどい"きば"を もつオオカミが怖くてなかなか勇気がでません。
コダヌキが丘をおりてこない理由を知ったオオカミは大ショック! 一生懸命やさしい オオカミであることを伝えようとするのですが、なんだか空まわりばかり…。
さて、ふたりは仲良くなれるのでしょうか?

小学校のお話会で、毎年2年生に共通本として「おれたち、ともだち!」シリーズの中から
1冊選び読んでいます。
「ともだちや」を知っている子がほとんどで、表紙絵を見せるだけで「知ってる、知ってる〜〜〜!
オオカミ大好き〜♪」って歓声があがります。
さて、11作目となる今回の新しいともだち候補はコダヌキくん。
いますよねぇ〜。こういう子。
遊んでいる子どもたちの輪の中に入りたいけれど、なかなか一歩を踏み出せない子。
でも、コダヌキくんにとってのハードルは、“恥ずかしい”とかって言う事じゃなかった。
“怖〜い”オオカミくんでした(笑)。
オオカミくんには気の毒なことに、彼の鋭い牙やら有り余る元気さや大声がコダヌキくんを
臆病にしてしまっていました。
オオカミくんの“とってもとってもwelcome〜♪”な気持ちがなかなか伝わらないんです。
このシリーズを読んでいる子たちは、きっと読みながらオオカミくんのことを「オオカミは
いいやつだから!」って弁護してくれていたんじゃないかしら。
見た目だけで避けられるって悲しいですよね。
オオカミくん本人にはどうすることもできないんですもの。
でもでも、一生懸命コダヌキくんに近づこうと努力するんです。
オオカミくんのこの姿が、けなげで可笑しいけれどちょっとがかわいそうでした。
さてさて、どうなるのかな?って思っていたら、やっぱりオオカミくんの最大の理解者
であるキツネくんがコダヌキくんに寄り添って、・・・。
このあとのオオカミくんの“熱い熱いともだちを求める思い”に13歳の息子と一緒に
泣き笑いでした。
キツネくんを介してオオカミくんの優しさに気づけたコダヌキくんも良かった。
“近づいてみなきゃ素敵なともだちは増えないんだ”って事にも気づけたんじゃないかしら?
読後「僕も初めて『ともだちや』のオオカミを見た時、コダヌキみたいにビビッたよ」って、
息子が笑っていました。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子13歳)
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