![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
この絵本の題材となっているのは、フランスで古く何百年もの間語り継がれてきた「聖母マリアの曲芸師」というおはなし。色々な作家が手がけ、様々な解釈で小説やオペラの歌として発表されてきました。 アメリカの人気作家で日本でもファンの多いバーバラ・クーニーがこのお話に出会ったのは数年前。このお話を絵本にしようと決めたクーニーは、フランスを訪れスケッチをし、少年が見たであろう景色をたどったのです。そして自らの解釈と美しい絵を添えて出来上がったのがこの「ちいさな曲芸師 バーナビー」です。 物語は・・・お父さんから受け継いだ芸で一人曲芸をしながら旅をする少年バーナビー。しかし、寒い冬になり外で曲芸を見る人はほんどいなくなりました。寒くて寂しくてひとりぼっちで芸をしていると修道士が声をかけてくれました。こうして大修道院で暮らすことになったバーナビーでしたが・・・。 ストーリーがすんなり頭の中に入ってくる、とっても分かり易い文章がさすがクーニーで、読んでいてとても心地良いのです。話の軸が少年への愛情や優しさに絞られているのも直接伝わってくる理由の1つでしょう。価格が2000円(本体)と絵本にしては少し高めなのですが、この美しくとってもきれいな発色の版画作品の様な絵と丁寧に布張りされた装丁を見れば納得でしょう。 クーニーの、この作品に対する熱い想いが、手元に置いておきたい宝物の様な絵本を創りだしました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
7歳の息子には少し難しかったようですが、読んでいるこちらは何だか心がスッと洗われるような、なんとも言えない気持ちで、最後は泣きそうになりながら読んでいました。
自分を表現するということ、自分のできること、自尊心、人に認められることの意味等々。
色んなことを感じ、考える絵本でした。
これは私が自分のために手元に置いておきたい絵本かも。
そして、子どもらの思春期あたりにそっともう一度、見えるところに置いておきたい感じです。 (たっちママさん 40代・ママ 男の子7歳、女の子4歳)
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