ぼくが今よりずっと小さかった頃、ぼくとおじいちゃんは、毎日のようにお散歩を楽しんでいました。それは、家の近くをのんびり歩くだけだけれど、冒険するような楽しさにあふれていたのです。おじいちゃんと手をつないで歩いていると、ぼくのまわりは魔法にでもかかったみたいに、どんどん広がっていくみたいで。
でも困ったことに、出会いや発見が増えるたびに、怖いことや不安も多くなっていきます。そんな時、いつもおじいちゃんはぼくの手をにぎり、おまじないのようにつぶやくのでした。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
この世界で生きていくのって、結構たいへん。だけど、おじいちゃんの「だいじょうぶ」は本当にすごい。その言葉には、全ての不安を包み込んでくれている様な不思議な強さがあるのです。心が落ち着いてくるのです。子どもに読んであげているうちに、その言葉の響きにいつの間にか励まされていた、という大人の方もいるのでしょうね。そして、思うのです。
「この世の中、そんなに悪いことばかりじゃないな」
作者のいとうひろしさんの言う通り、大人も子どもも、少し行き詰まったなと感じたら、こんな風にゆっくり、のんびり、歩いてみるのがいいのかもしれませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
小さなぼくが不安な気持ちになると、いつもおまじないの言葉で助けてくれたおじいちゃん。生きていくためのしなやかな強さを育む、心にしみる絵本です。
どくしゃのみなさんへ おじいちゃん、おばあちゃんをさそって、みんなで、さんぽにでかけよう。ゆっくり、のんびり、あるいていけば、ほら、ぼくらのまわりは、こんなにも、たのしいことがあふれてる。――いとうひろし
昨年、娘が長期入院の末、超未熟児で初孫の男の子が誕生しました。
現在、9ヶ月でやっと寝返りが出来るようになったところです。
本のタイトルと絵からは内容を想像出来ませんでしたが、購入して読んだところ、「なるほど」と思いました。
ほのぼのとした、理想の二人ですね。
私は孫にちょっかいを出しては、妻と娘に叱られています。
孫が歩けるようになったら、こっそりと二人だけで散歩に行くのを楽しみにしています。
私はまだまだ髪の毛がありますし元気です。
これからも元気で長生きして、好かれるおじいちゃんになりたいと思える1冊でした。 (とくちゃんさん 50代・じいじ・ばあば )
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