野村萬斎氏推薦! 「狂言」を通して、表現の楽しさを子どもたちに伝えたい――。この「狂言えほん」シリーズが、小さな子どもにとっての最初の一歩になれば、私もうれしいです。――(野村萬斎/狂言師)
〜「うつぼざる」は、こんなお話です〜 むかし、わがままなとのさまが、家来をつれ、狩りにでかけました。そのとちゅうで猿まわしを見かけ、自分のうつぼ(矢入れ)にしようと、猿の毛皮をよこせと無理難題をいいつけます。弓矢でおどされ、泣く泣く子猿をうつことにした猿まわし。せめて苦しまないように我が手でと、棒をふりかぶると、猿は合図とかんちがいをし、芸を始めます。その姿に猿まわしは、やはりうてぬ、と涙を流し、猿まわしたちの情愛に、とのさまは……。
なんとも困った殿様です。
驚いて自分に飛びっかかってきた猿の毛皮をよこせと、猿まわしに命じます。
できなければ、猿まわしも猿も殺すなどと激怒します。
でも、なんとも単純思考の殿さまです。
猿の演技に心をうたれます。
猿のほうが数段上に見えるお話です。
も少し思慮深い殿さまならば、話にもならないでしょうが、こんな殿さまに従う家来の大変さを感じました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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