なぜでしょう。
涙が出ました。
ものすごい大冒険じゃないのに、
ものすごい悲劇でも、ものすごい喜劇でもないのに、
温かくて、温かくて、優しくて、
じんわりと胸が詰まって、鼻の奥が痛くなりました。
少ない色が、見るものの集中を誘うのか、
主人公の気持ちを引き立てているようです。
そしてたくさんのカットケーキのページ。
あれは絶対、子供が大好きなページになりますね。
それと、このお話はきっと、その後の想像も楽しいのです。
動物たちはどこへ行ったんだろうね。
帰り道も、そっと見送ってくれたかもね。
いやいや、もうすっかり忘れて、
仲間たちでお祭りのように盛り上がっているかもね。
つぶれちゃったケーキはどうなったのかな?
みんなで笑いながら食べたかな?
そしてまた迷子を招いて、送り届けてあげたりするんだろうね。
白い文字が、ちょっと読みにくいところもあったので、
読み聞かせの時は、
予習してから、ゆっくり読んであげてください。
難しいお話ではないので、幼い子にも向きますし、
作文がかけるくらい大きくなったら、
続きを書かせてみたりするのも面白いですよね。
ストーリーに決め付けのない、いい本だと思います。