からすたろう」 みんなの声

からすたろう 文・絵:八島 太郎
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,980
発行日:1979年05月
ISBN:9784039600400
評価スコア 4.77
評価ランキング 664
みんなの声 総数 52
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52件見つかりました

  • 巡り会えた

    • たまなこさん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 7歳、4歳

    差別やいじめの根本はやはり「外見しかみていない」ということが良く分かる1冊だと実感しました。

    からすたろうは最後の1年間で本当に素敵な先生に巡り会えたお陰で、周囲もそんな特技があったことに驚きます。
    それは物事の本質をきちんと見ないで上辺だけを見ていたから、知らなかったからすたろうの特技。

    人間は認められると嬉しいし、また頑張ろう!と活力も沸いてくると思います。
    中学年〜高学年の人には是非読んでもらいたいと思います。

    投稿日:2011/11/20

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  • 読むたびに胸が締めつけられる

    古き良き、日本の里山。
    そんな懐かしい風景が、ページいっぱいに広がっています。
    読むたびに心揺さぶられ、
    胸が締めつけられます。

    ちいさな子どもには、むずかしいかな?とも思いましたが、
    4歳の娘もすぐにお話の中に入り込んで、
    じっと絵を見つめていました。
    何度も繰り返し読んであげたい本です。

    大人も子どもも、
    たくさんの人がこの絵本を読んでくれますように・・・

    投稿日:2011/11/06

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  • 教育の本質について考えさせられました

    • すずらんぷさん
    • 40代
    • ママ
    • 大阪府
    • 女の子16歳、女の子14歳

    ずっと、子供たちの前で読みたかった絵本、先日やっと読むことができました。登場する子供たちの服装も、学校の様子も現代とはまるで違います。でも、描かれている問題、テーマはまさに現代の学校でも起こっているであろうことでした。
    ひとりの人間との出会いが、その後の人生や、生き方を変えてしまうことがあります。からすたろうにとっては、まさにいそべ先生がその人でした。からすたろうの人となりをすべて受け入れて、良いところに目を向け、できることを伸ばしていきます。少しづつからすたろうに自信をつけていったからこそ、たろうも学芸会で発表をすることができたのでしょう。
    そして、このような状況の中でも、毎日学校に通い続けた、からすたろうの芯の強さに拍手を送りたいです。「からすたろう」という彼独自のあだ名=居場所を彼が得ることができたことも、本当に良かったと思いました。さわやかな読後感の一冊でした。

    投稿日:2011/11/02

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  • 八島太郎氏のことを知らなかったので 調べて見ました

    彼の生き方 軍部や財閥を痛烈に批判してアメリカに移住します。

    小林多喜二が拷問にあい 死んでしまうのですが その死に顔を描いたとのこと 彼の生き方も 自分に正直に生き アメリカで絵本を書いたのが からすたろう(彼の作品の一つです)

    昔の学校でも 虐めがあり いつも つまはじきにされていたんですね
    いつも クラスの しっぽに ぽつんと くっついていました。
    やぶにらみの 目つき 彼は 自分が見たくないものを このようにしていたのですね。
    なんだか 涙が出てきますね・・・・  しかし 彼の感性。すぐれた持ち主でったことが分かります。
    だまって いろいろなものを見ていましたし 音を聴き 虫たちを 見つめるのです(一人で )

    彼は そんなに いじめられていても 一度も休まず 学校へ通うのです!
    6年生の時に出会った先生   いそべ先生の存在は 彼にとって大きかったですね!
    彼の良さを見いだしてくれたのですから 絵も よめないような習字も
    カラスの泣き声や 特徴を先生は細かく捉えて才能を見いだしてくれていたのです

    先生は学芸会で発表の場を彼に与えてくれたのです
    本当に どんな人に出会うかが、生き方に大きく左右するのだと思います!

    出会い それは 運命的な出会いなのかも知れませんね。
    彼は 家の仕事を手伝いながら しっかりと生きていたのです まじめに
    先生のおかげで 彼はみんなから みとめられて「からすたろう」とよばれます
    奥の深いお話でした(生き方を教えられます)

     この絵本を 二人の恩師に捧げますとあります。
    コルデコット賞をもらうのです

    八島さんの生き方が この絵本の中に込められているのですね!

    大人にも このお話が分かる子供にも是非読んでほしい絵本です
    又 機会が有れば読んであげたいです!(昔 こんな子供がいたことを伝えたいです)   

    投稿日:2011/10/09

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  • 心に残ります。

    表紙が独特で、自分からはあまり手がでない本でしたが、
    評価ランキングが高かったので、図書館で借りてみました。
    内容は、ぐっと心に響くもので、いろいろなことを考えさせられました。
    子どもたちもどこまで理解しているかはわかりませんが、
    3人ともじーっと聞いていました。
    チビはどんなに辛いことがあっても学校を一度も休みません。
    そんなチビをみて、感動しました…。
    末の子が小学校に上がったら、また3人に読んであげたいなと
    思います。

    投稿日:2011/02/11

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  • からすの鳴き声のところは感動した

    • doruさん
    • 40代
    • その他の方
    • 兵庫県
    • 姪10歳

    この話は今でも通じるお話ですね。同じように学校に行く子どもにも個性があります。この主人公は、学歴重点主義の学校教育の中でははみ出しています。でも、何もしていないということはないのです。ただの天井を飽きることなく見つめたり、窓の外を見つめたり、いろいろ退屈することなく眺めている子どもでした。そんな主人公にも、いそべ先生に出会ってからかわりました。6年生のとき、いそべ先生にあわなかったら「とんま」なまま卒業していたでしょう。主人公の才能?(能力?)何だろう? 自然を観察する力を見て、感心します。そして作者はこのページを描きたかったに違いない。カラスの鳴きまねをするところ、主人公が真似るカラスのいろいろな行動の声が、無音であるはずの絵本から聞こえてくるような迫力を持って迫ってきます。6年間「とんま」だと思われていた主人公がからすたろうと呼ばれる瞬間です。感動しました。

    投稿日:2010/12/19

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  • 世界中で読み継がれていってほしい

     アメリカの図書館で何度も目にしていた“Crow Boy”。 
    コールデコット賞次席だったことも、絵本ナビでの評判も知っていたのですが、あの絵の雰囲気がなんだか特殊なものに思え(アメリカの絵本の中に並べられていると余計にそんなふうに感じるのかもしれません)、どうしても手にとって見る気持ちになりませんでした。

     でも、やっぱり評判どおりの素晴らしい絵本! 昔も今も、そして、日本でもアメリカでも、世界中どこででも有り得る偏見やいじめ・・・だからこそ、時代を超えて読み継がれていってほしい、いろいろな国の子どもたちに読んでほしい、そんな絵本です。

     娘も、からすたろうの特技を知って、「みんな、いいところや、得意なものがあるんだよね。」と言っていました。子どもはみんな素直に感動するやわらかい心も持っています。
     でも、大人は、子どもの中の「いいところ」や「得意なもの」をなかなか見つけてあげることができません。それは、きっと「一般的な評価」ばかりにとらわれ、その評価に当てはまらないものはすべて「無意味なもの」と思ってしまうからなんでしょうね。

     「からすの鳴きまねなんて、上手になっても何の意味があるの?」と思ってしまいがちですが、それを「隠れた才能」として見出してくれた磯辺先生・・・子どもにとって、先生との出会いは、その後の人生をも左右するほどの大きな影響力をもつんですね。

     「ありがとう、フォルカーせんせい」と並んでお薦めの絵本です。

    投稿日:2010/11/23

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  • 90年も前の日本の小学校が舞台ですが

      初めこの作品を目にした時には、表紙の作者“やしまたろう”にピンと来ませんでした。
     二度目、もしや八島太郎では?と折り返しカバーの作者の略歴を読み、開いた作品です。
     『蟹工船』が近年再びブームになっていますが、あの拷問死した小林多喜二の友人で、彼の死顔をスケッチした八島先生でした。
     ご自分も反軍国主義の思想を貫き、1939年に渡米された事を聞き知っていました。
     
     この作品は、先生の二人の恩師の方をモデルとする教師(やしま先生)が、学校に居場所を見つけられず存在を認められていない主人公を見守り導き、彼の生活の背景を改めて同級生たちに気付かせ、さらに彼の特技を披露する機会を与えたというお話です。

      学校生活の中では伺えない生徒一人一人の家庭環境。
     それは黒板の前では必要のないことですが、教師は熟知し考慮たうえで生徒たちを導いていくことが大切であることが伝わってきます。
     学習に喜びを見いだせる子どもだけが、人として存在価値があるわけでは無い事をいそべ先生は作中で静かに周囲の生徒に伝えていきます。
     
     お話は90年も前の日本の小学校が舞台ですが、内容は現代にも見られる差別やいじめについて描かれています。
     他人を「人間」としての尊厳のまなざしを失い見つめるところから、愚かしい蔑みや先入観・偏見が生まれます。
     この世に生を受けた者は等しく存在し生きる権利のあることを大人になっても忘れない人物に育って欲しいと願ってやみません。

     人は認められ、初めてその社会(共同体)の中で、心置き無く呼吸でき生かされる存在となるのだと教えられる作品でした。

    投稿日:2010/08/31

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    5
  • こんなお話とは、想像もつかなかった。

    • おしんさん
    • 40代
    • ママ
    • 鹿児島県
    • 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳

    その子は、小学校に入学した日、床下に隠れて出てきませんでした。
    先生を怖がって、何ひとつ覚えることもなく、友だちもなく、いつもひとりぽつんとしていて、のけものにされていました。体が小さいので、みんなは『ちび』と呼んでいました。
    そして、6年生になった時、磯辺先生が、担任になりました。磯辺先生は、その男の子のいい所を見つけてくれたのです。

    今までも、目にすることはあった一冊の絵本。表紙を見て、どこかの地方の民話か何かと思っていました。実際に読んでみると、なかなか深刻な内容でした。
    外見で判断して、のけものにするのは、いじめそのもの。本当は、すばらしい能力を持っているのに、それに気づいてあげられなかった長い日々のことを思うと、涙なしでは読みすすめられませんでした。
    『からすたろう』の気持ちに寄り添って、どうするべきかを、じっくり考えることができればと思います。

    投稿日:2009/04/06

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  • 心にしみること

    この絵本を読み終えたとき、息子と奥さんにしばらく静寂があった。
    その後、奥さんは「作家の強い思いが絵にこもっている」と言った。
    自分は、絵の間を埋める凝縮された言葉に強い思いを感じた。
    若い頃当たり前のようにあった、差別とか身分だとかを思い出した。

    居場所がなかった少年が、卒業の年の学芸会で演じたカラスの鳴き声で存在感を示した。
    学友は自分たちが少年にしてきたことを思い涙を流した。
    保護者達は、少年をたいしたもんだと涙を流した。
    少年はカラスの鳴き声に、自分の暮らしと、自分が小学校に通学してきた6年を表現したのである。
    素晴らしい事だと思う。
    この少年の素質を見抜いて、表現させた教師も素晴らしい。
    小学校教育はこうでなくては。
    ひとつひとつに作者の強い思いが感じられて、ひとつひとつが心にしみこんできた。

    今、6年生のクラスで、この本を読み聞かせて皆を感動させる自信はない。
    クラスの数名でも、この絵本を正面から受け止めてくれたらそれだけで良いと思う。

    心にしみる本だと思いました。

    投稿日:2009/01/31

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