「にじをかけたむすめ」 みんなの声

中国最古の少数民族　モン族の昔話
お話も　素敵です　絵がとても綺麗で　中国の少数民族の暮らしも丁寧に描かれているのです

刺繍の上手な女の子は　王様に連れ去られてしまうのです
本当は村で　みんなに　刺繍を教えて過ごしたかったのです

王様は言うことを聞かない娘を、牢屋に入れて　難題を押し付けるのです
それでも　娘は　牢屋の中で　オンドリの刺繍をし続け・・
涙がオンドリに落ちると　バサバサと飛び立ったのです・・・　生きているのです　オンドリは
キンケイ　龍と刺繍をして　みごとに　女の子の涙で　飛び立ちます

王様は　龍を見て　蛇だといいました
龍はおこって口から火を吹き　王様たちはみんな焼け死んでしまうのです

龍の背中にのり　　女の子は　天上へのぼりました

そして、相変わらず　大好きな刺繍をしているのです
綺麗なきれいな娘です

にじのかけはしは　村に帰りたい心を　あらわしているのですね！
素敵なお話でした

表紙の品のある美しい絵に惹かれ、手に取りました。
刺繍飾りを作るのが上手な美しい娘、花辺は、王さまに仕えることとなり、泣く泣く村を離れます。
ふるさとや村のみんなを思い、王さまのいうことを聞かなかった花辺が、泣きながら刺繍をすると……。
中国・苗族の昔話とのこと。文章もイラストも非常に美しく、大人も楽しめました。

あまりにも自分勝手で理不尽な暴君のために、村から連れ去られ、牢に入れられ、挙げ句には命を落としてしまった、可哀想な娘のお話です。
昔話に異論を唱えても仕方がないのですが、娘が虹を編んでいるのだとしたら、虹が儚いものに思えてきます。
刺繍に縫い込んだ物が命を宿すという神秘には引き込まれてしまいました。
同じ話を他で読んだことがあるのですが、後藤仁さんの絵は、アジア的で、他を寄せつけない深みがあります。

美しかったり刺しゅうが上手だったり周りより秀でていると、思いもかけない災難に遭うことがあるようですね。
他の国の昔話でもたびたび見かけるので、それは世界共通のようです。

この昔話に登場する花辺ねえさんも、悲しい最後を遂げました。
綺麗な文章と美しい絵で創られていますが全体的に物悲しくて、平凡が一番なのかな、と思いました。