イラストは市川里美さんです。市川さんの描かれた主人公のおじいさんの顔が、私はすごく好みでした。
どこがいいかって、最初おじいさんが一人きりの時は、後姿が多く、表情も硬かったのですが、お話が進むにつれて、口元にしわが寄り始め、頬が赤らみ、目じりが下がっていって、最後には満面の笑みに変化していくんです。
人の心の内を少しづつ変化させて見せる手法は素晴らしい!と思いました。
お話は、少しづつ材料が増えていくところが、中国の昔話「石のスープ」に似ていました。
当然、材料が増えれば増えるほど、スープは美味しくなるし、幸せも笑顔も増えていきます。最後におじいさんが新しい幸せを見つけられたようで、良かったです。