表紙の絵に惹かれて、手にとりました。
大雨が降るシーンが続き、主人公であるヨンイの顔もはっきりは描かれ
ていません。正面を向いているのも二回だけ。でも、見えない表情を
あれこれ想像してしまう。心の動きも。
儒教の国でも、口の悪い文房具屋のおばさんや、いたずらっこもいて
(当たり前)、ヨンイも堂々とは良いことをしにくいのか、周りを気に
しながらおじいさんの所へ行く。
穴のあいたビニールがさでも使っているヨンイのうちではとっても大事
なんだと思うし、それを置いてくるまでの心を想像し・・・。
それだけに、へいにたてかけられたかさの場面で、一気に気持ちが
ホワっとしました。
晴れた空の場面でも、決して青空ではないのに、そう見えてしまい
ました。
ヨンイの心にも、物乞いのおじいさんの心にも青空がひろがっている
のじゃないかな?
ガラスや水たまりに映るヨンイの姿など、画家さんの力量が感じられて
他の本があれば見てみたいと思いました。
お話は道徳的と受け取る方もいるでしょうが、わたしは好きです。
ただ、時代背景など説明しないと、子どもたちにはわかりにくいでしょ
うし、今の所、学校では読まないかな?
木の骨に、ペラペラのビニールを張ったかさって、以前、韓流ドラマで
見たことがあったので、イメージ出来ましたが、子どもたちには想像
できないかもしれませんね。