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妙々々々…妙なる一冊
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投稿日:2006/10/25 |
このお話は月夜の晩、浜辺に上がってきた魚たちが演芸会をひらくというもの。松に鯛が登って「松にお日さん、これどうじゃ」と問うと一斉に魚たちが「妙々々々々々」とはやしたてる…というもの。作者の脇和子さんは、お母さんからこのお話を毎晩毎晩繰り返し繰り返し寝間で聞いたそうです。
コッコさんシリーズで有名な片山健さんにして天才と呼ばしめる大道あやさんの絵です。一見して上手い!と思わせるのではない大道さんの絵は、あんまりお母さん達の好みに合わないかも知れません。でも!!こどもたちはこの絵の本当の魅力をすぐに見破ります。蛸の紫、鯛の赤、松の緑、どれもこれも磯の香りがしてきます。
先入観を捨て、ぜひこどもと一緒に大道さんの絵をじっくり見て下さい。声に出して読んでみて下さい。妙なる世界にふれることのできる珠玉の一冊です。
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文句なし!面白い!
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投稿日:2006/10/25 |
雨が降ってます…なのにおかあさんったらお使いを頼むんです。「いやあよ、あめがふってるんだもの」と私が言い訳すると、「かささして いけばいいでしょ」だって○○なんだものって何度言っても、そのたびにお母さんは だったら△△すればいいでしょってとりあってくれないの。だから、仕方ないからものすごい格好になっちゃって、やっと外に出たら…
ばばばあちゃんで有名なさとうさんの絵本
ちょっとサイズが小さめで、こどもが自分でもくすくす笑いながら手に持って読めるかな
この絵本に躾とか求めちゃいけません
なんたって、お使いさせようとするお母さんと、なんとしてもお使いに行くまいとする女の子のせめぎ合い。
なんていうと堅苦しいけど
女の子の あの手この手 智恵の限りの言い逃れが素晴らしい。お母さんは姿は見せず指示する腕だけが描かれていて、代りに猫とねずみがかさを女の子のもとへと運ぶという演出も楽しい。
笑える一冊。決してムカッときてはいけませぬ。
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赤ちゃんだって スピード感を楽しむのだ
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投稿日:2006/10/25 |
まこちゃんという男の子が
籐の小さなバスケットを持ち
自動車を運転します
すると
ストップ! のせてのせて
と熊やウサギやネズミたちが乗り込んできます
でもよくありがちな
の〜せ〜て いいよ というご挨拶の勉強みたいな
みたいな甘ったるい世界じゃないのですよ〜
なんたって
まこちゃんの自動車は速いんですもの
テキストにもスピードが大切にされています
のせて といわれたら 次のページではもう出発してます
山場はトンネルをぬけるところ
「トンネルトンネルまっくらまっくら」
ここはおそらく この絵本を愛するほとんどのこどもが
覚えて一緒に言いたくなるところ
何百回読んでも、出た!とトンネルを抜けるところでは
そのたびに、嬉しくなる。
不思議ですね、素晴らしい絵本は繰り返し読んでもあきない。
東光寺啓さんについて詳しくは不勉強なのですが、この画家さんがいかに素晴らしいかは 最後の奥付のあるページで分かります。
まこちゃんたちが向かった先、お話にはでてこないそれがここに描いてあります。 私が読んでやったこどもたちは、みんなこのページの道を指でたどり、一緒に山の向こうへ行くのでした。
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しずかな音で充たされる幸せ
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投稿日:2006/10/23 |
こいぬのマッフィンが目を覚ます
とっても静かな音で…
それは何の音?とマッフィンは考えるのです
「蟻が這ってる?
蜂がびっくりしてる?」
から始まって、ゾウがつま先立ちで階段を下りてくる音?
バターがとけていくのかな?
と静かな音探しが8場面続きます。
そしてページをめくる前に「いいえ」と否定の言葉がくるのですが、これが「いいや」「ちがう」「ちがうな」…と8通りなのです。
2才の息子はここがお気に入り。否定の言葉は一番なかよしだからね。
そして
マッフィンは分かるのです。
ぶどうのゼリーをなめてるような
こねこがミルクをなめてるような
ことりのはねがそらをきるような 音の正体
それは…
ここからは
朝の静かで晴れやかな気持ちのすることが
次々に描かれます
訳の谷川俊太郎さんの日本語の選び方の技が光ります
美しいにほんごです
版画の絵も美しい
描かれる静かな朝の様子が美しい
朝起きた時、布団の中でそっと開くと
1日が幸せな気持ちで送れるような本です
もちろん
寝る前に、明日の朝を思いながら読むのもgood
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カトリ〜ヌ!大鍋の用意だ!
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投稿日:2006/10/23 |
ピトシャンピトショっていう名前の男の子が
道で拾ったイチジクを育てると、
どこからともなく鬼がやってくる。
で、想像通りその鬼につかまってしまう。
でもピトシャンピトショは頭をフル回転させて
鬼をやっつけるわけ。
面白いのは、鬼と鬼のおかみさんとのやりとり
「カトリ〜ヌ!大鍋の用意だ!
ピトシャンピトショを捕まえたぞ!」と大声で帰宅する
ってことは、あのイチジクは鬼がわざわざ
狙いを定めていたピトシャンピトショを捕まえる罠だった?
なら、ピトシャンピトショが頭の回転の良い男の子だって
なんで気づかなかったんだろう?
まあ、
どうやって木に登ったんだ?ってピトシャンピトショに聞いて
「大鍋全部と小鍋全部とお皿をぜ〜んぶ」重ねた上に登ったなんて答えられて、
その通りやってみるなんていうオツムの回転の鬼には
気づかなかったかもしれないけどね。
面白いお話を、堀内さんの絵が更に面白くしてくれてます。
勧善懲悪の世界が楽しい3才児さんは、きっと気に入るよ。
大人には南米の香りのする鬼も楽しいかも。
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おおかみとこども…欲はかくもの
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投稿日:2006/10/22 |
よくばりおおかみ みつけたこぶたを捕まえ損ねた
よしよし 追いかけろ!
見つけた見つけた あれれ? こんなに痩せてはなかったぞ
きっと別のこぶたに違いない…
そうして おおかみ 何にも食べられず ガリガリに。
こんなお話です。
もう読んでる側からこどもは展開をよんで
大笑い
でも おおかみのドジな欲張りをあざ笑うんじゃなくて
自分たちの中にもある 欲張りな気持ちと共感してるんだよね
最後の痩せてしまってもまだまだ
太った子豚を想像するマヌケなオオカミが
何ともかわいい
田島さんの画力のたまもの!
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蜘蛛好きの作者ならでは
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投稿日:2006/10/20 |
とにかく 面白い!
ガロ出身の秋山さんの構成力。画力でお話はぐいぐい進みます。
江戸にある美味しいお菓子の店
「ありがたや」=蟻が営んでいるお店が舞台です。
大切な花見のお菓子を盗みに入るという予告状。
犯人は、次々に姿を変える事の出来る蛾。
それもそのはずおやぶん!ぴょんきち!と呼び合う主人公も含め全て登場人物は「虫」なんです。
全てのページの隅々に虫たちが生き生きと描かれています。
作者の秋山さんは大の虫好きらしいです。
その理由は「小さいから」なんですって。
中でも様々な網をつくる蜘蛛が一番面白いそうで
この本でも親分が投網のように、大福や羊羹がつまっている蔵に網を張る場面が出てきます。
虫が苦手なお母さんも、この本ならと借りて帰り
こどもと楽しんでおられます。
虫嫌いの人にも、大丈夫と太鼓判をおせますよ。
もちろん虫好きの人には、堪えられない一冊。
虫と関係なくても充分面白い。
虫と関係あるから、ますます面白いという秀作ですよん。
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わしゃ、なかなかぼちぼちいけんわい
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投稿日:2006/10/20 |
かばくんが、なりたいものは消防士
でも…
かばくんが、なりたいものはパイロット
でも…
バレリーナにもなりたいのやけど、やっぱりあかん
次々にチャレンジしてみるけれど、
どれも体が重たすぎたり力がありすぎて失敗するという愛すべきかばくんのお話。
失敗に次ぐ失敗で、かばくんは傷ついて…はいかないのです。まあ、ぼちぼちいこか と楽天的!
私なんて、かばくんの域に達するのはまだまだ先かな。
でも、それさえも、ぼちぼちいくしかないのだものね。
いわゆるYA好みの絵本ではありません。
あくまでこどものために書かれた本。
そしてもちろん いまえよしともさんの訳が秀逸!
全編 関西弁です。
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け
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投稿日:2006/10/18 |
おおかみはひとりぼっちです。仲間はいません。おおかみはさびしいのです。そこで色々な町に行きます。
そして豚の所でもウサギの所でも、親しそうに近寄ろうとするのですが、あっという間に町中の豚やウサギたちに逃げられてしまう。
おおかみ「だから」ひとりぼっちなのです。
だから せいいっぱい つよがってみせる
「け」ってね。
このおおかみは怖いどころか優しいのかも知れません。
だって豚やウサギが逃げたからって食べたりしないのですもの。
ガロ出身の佐々木マキさんの初期の作品です。
マンガで鍛えた腕が冴えるこの絵本、おおかみくんに表情がついているわけではないのに、何故か表情を感じてしまいます。読むたびに
おおかみはあのひとなのかも?
それとも私?って思ってしまいます。
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ぜったい許せない!
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投稿日:2006/10/18 |
あなたには絶対許せないことってある? どろぼうを許せる? 人殺しを許せる? じゃあ、かくれんぼしてるのに自分だけ見つけに来ないでお弁当食べてる友だちを許せる? こどもたちが毎日遊んでる「あそび島」(保育園じゃないんだよね〜そこがステキ)の男の子ガクは、それをやったシュンタロウを許せなかったんだよ。だってしゅんたろうはあそびを自分勝手に変えちゃうし、いっつも一番でないと気が済まない。だから「ぜっこう」を言い渡した。
毎日毎日庭のすみっこからオレの事いくら見てたって許すもんか!そういうガクはちょっとドキドキしている感じ。せんせいやってるアイコが間に入ってきたら、悪いのはシュンタロウのはずなのに、もっとドキドキしてきた。悪いのはシュンタロウなんだ!ガクは自分に言い聞かせるみたいな顔になってくる。
こどもの頃友だちを許す時って、自分が損をしてるみたいな感じがしたよね。言葉にならない感情が体の中を駆けめぐったよね。柴田さんのテキストと伊藤さんの絵は、その言葉にならない気持ちをストレートに私達にぶつけてくる。大きくならないと分からないと思うのは大人の感じ方だと思う。小さい時の方が、このモヤモヤした気持ちを実感を持って受け止められるんじゃないかな。真剣なやりとりしてるガク・シュンタロウ・アイコの周りにいる他の子たちのたたずまいが良い。あそび島みたいにもぐれついて育ち合ってる保育園で働く私には、こどもの本当のケンカを描いてもらったという気がします。
本の好きな子なら3才から楽しめました。
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