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どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

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うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 恐竜

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 恐竜 (小学館集英社プロダクション)

お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!

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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい こんなアパートに住んでみたい             投稿日:2021/04/18
アパートのひとたち
アパートのひとたち 作: エイナット・ツァルファティ
訳: 青山 南

出版社: 光村教育図書
アルフレッド・ヒッチコック監督作品で1954年に作られた「裏窓」という面白いサスペンス映画がありました。
 事故で足を骨折して動けないカメラマンが退屈しのぎに裏窓から見えるアポートの人たちの生活をのぞき見していて、殺人事件らしきものを偶然見てしまうという話です。
 その映画に出てくるアパートの住人たちの生活ぶりが面白い。
 妻を殺す男もいれば、楽しく仲間たちと歌を歌っている男もいる。
 グラマラスな女性には男が近づき、暑くて眠れないと布団を外に出して寝ようとする夫婦もいたりする。
 表のドアを閉めてしまえば決してわからない住民たちの生活が垣間見れる面白さ。
 この絵本にも同じものがあります。

 女の子の住んでいるアパートは7階建て。
 各階に一軒ずつ住んでいるのですが、何故かドアがちょっとずつ違うのです。
 1階のドアにはかぎがいっぱい。
 なので、女の子はそこに住んでいるのは、きっとどろぼうの家族と想像します。
 ドアを開くと(もちろん女の子の想像です)黒い覆面をしたどろぼうの一家がくつろいでいます。
 女の子の想像は順番に上の階へと続いていきます。
 明かりの消えた真っ暗なドアの向こうには、きっと吸血鬼が住んでいるのだとか、酢漬けの魚のにおいがするドアの中には人魚と暮らす海賊が、しかも水中にいるのだとか、女の子の空想は広がります。
 それで、7階の自分の家はとっても普通。

 そんな空想が広がる楽しい絵本ですが、このアパートを裏窓からのぞけたらきっと面白いでしょうね。
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自信を持っておすすめしたい あの頃遊んだクレヨンどうしただろう  投稿日:2021/04/04
ぼくのくれよん
ぼくのくれよん 作・絵: 長 新太
出版社: 講談社
クレヨンというのは、「石鹸・蝋・脂肪などに各種の顔料をまぜて棒状に造る」と「広辞苑」に出ている。「学童などが用いる図画用の絵具」ともあるように、ほとんどの子どもが使ったのではないだろうか。
 色鉛筆と違って、削らなくてよくて、描いていく感触も柔らかいのがいい。
 漫画の「クレヨンしんちゃん」とか児童書専門店の「クレヨンハウス」とか、やはり子供と関係して馴染み深い。
 そのクレヨンを題材にして、「ナンセンスの神様」という異名のある絵本作家の長新太さんが描いた作品が、この絵本です。

 一本のくれよん(絵本の表記がひらがななので、以下ひらがなで)がまず出てきます。
 大きな丸太のように、とても大きいのです。
 どうしてかというと、ぞうさんのくれよんだからです。
 ぞうさんが青いくれよんで大きな丸を描くと、まるで池みたいにみえます。
 まちがってカエルが跳び込んだりします。
 赤いくれよんで描くと、火事みたいに見えます。
 動物たちがあわてて逃げ出します。
 黄色のくれよんで、大きなバナナを描きましたが、もちろん食べられません。
 ぞうさんの大きなくれよんは、人騒がせなくれよんです。

 ページを開くと、子供たちの歓声と笑い声が弾きでるような作品です。
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自信を持っておすすめしたい 大人のあなたに読んでもらいたい絵本             投稿日:2021/03/28
あの湖のあの家におきたこと
あの湖のあの家におきたこと 作: トーマス・ハーディング
絵: ブリッタ・テッケントラップ
訳: 落合 恵子

出版社: クレヨンハウス
これは湖のほとりにある、一軒の小さな木の家の物語です。
 それは長い時の物語でもあります。
 絵本ですが、まるで長編の物語を読むようでもありますし、長い一篇の映画を観るようでもあります。
 でも、これは絵本です。
 ゆっくりと頁をめくる、そんな絵本です。

 家はこの絵本の作者であるトーマス・ハーディングさんの曽祖父が1927年に建てたものです。曽祖父は医者で、4人の子どもたちが自然の中で暮らせるように、湖のほとりに建てたそうです。
 でも、時代がよくありません。
 戦争になって、ユダヤ人であった一家はこの家を去ることになります。
 次に住んだのは、音楽好きの一家。
 でも、彼らも戦争のせいでこの家を出ていきます。
 さらにまた別の一家、さらに戦争が終わって別の家族がこの家で暮らします。

 家はきっと住む人たちの、さまざまな様子や感情を見てきたでしょう。
 その姿はそれぞれだったでしょうが、きっと家を愛するということでは同じだったかもしれません。
 家はそこに住んだ家族のことを覚えているのでしょうか。
 そこで笑ったり泣いたり怒ったりした家族のことを覚えているでしょうか。

 訳者である落合恵子さんは、2020年の春浅い日々から晩春にかけてこの本とずっと一緒だったと綴っています。
 コロナ禍の時、落合さんは戦争で揺さぶられた家とともにあったのです。
 この絵本はそんなふうにして、時代の中で何かを考えさせる一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 会えない時間が生んだ絵本  投稿日:2021/03/21
会いたくて会いたくて
会いたくて会いたくて 作: 室井 滋
絵: 長谷川 義史

出版社: 小学館
コロナ禍で介護ホームにいる肉親と会えなくなったという話をよく耳にします。
 ガラス越しに会っている光景も目にしたりしました。
 女優の室井滋さんが文を、絵本作家の長谷川義史さんが絵を描いたこの絵本は、こんな時代に生まれた絵本です。
 室井さんは大人の人やお年寄りの人が手を取りたくなるような絵本をつくろうと思ったそうです。
 なので、長谷川さんには「線画でちょっと大人っぽく、繊細な線で描いて欲しい」とお願いしたそうです。
 長谷川さんの絵を見てきた人には、あれ? いつもと違うって感じるでしょうが、とてもいい絵になっています。

 お話はボクの大好きなおばあちゃんがいるホームに行くのですが、会えない日が続くところから始まります。
 絵本の中では「コロナ」という言葉は出てきません。
 コロナでなくても会えない時はあります。
 この絵本は、会えない時にその人のことを思いやることを教えてくれます。
 とうとうボクはおばあちゃんと窓越しに会えます。会話は「糸電話」で。
 ボクが初めて目にする「糸電話」。
 長谷川さんは「そういうアナログなこと、空間、時間をとても大切にする生き方を教えてくれている」と話しています。

 室井さんはこのつらい時代に「絵本が明日への希望につながってほしい。会えない人ともつながっているっていうふうに」と、この絵本への思いを語っていました。
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自信を持っておすすめしたい おーい、雲よ。おーい、春よ。  投稿日:2021/03/20
はるの ごほうび
はるの ごほうび 作: 内田 麟太郎
絵: 村上 康成

出版社: 鈴木出版
「春はあけぼの。」
 有名な清少納言の『枕草紙』の書き出しです。古典で習いました。
 続く「やうやう白くなりゆく、」あたりまで覚えている人もいると思います。
 一方、こちらは漢詩。
 「春眠暁を覚えず」、孟浩然の作。漢文の授業で習いました。
 清少納言は早起きで、孟浩然は気持ちよくてなかなか起きられなかったようです。
 いずれにしても、春は気持ちのいいものです。

 ブタが空に浮かんでいても、ネコが浮かんでいても、カエルもタヌキも、クマだって浮かんでいても、ちっともおかしくない。
 だって、春ですもの。
 内田麟太郎さん作のこの絵本には、春の気分が満載です。
 なんといっても、村上康成さんの、ほんわかした絵がいい。
 ページを開くだけで、春がこぼれてきそう。
 早起きしようが、いつまでも起きられなくても、町に出てみると、誰でも空に浮かびそう。
 でも、どうしてみんな空に浮かぶことができたのでしょう。
 その答えを、こいのぼりが教えてくれました。
 はるかぜをおなかいっぱい吸い込むのだとか。

 「だれだって もらえる はるの ごほうびです。」

 外出もままならない、コロナ禍の時代。
 せめて絵本をひろげて、はるかぜをいっぱい吸い込んで、空に浮かんでみたいもの。
 誰でももらえるごほうびなのですから。
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自信を持っておすすめしたい どうしてこんなに泣けてくるのだろう               投稿日:2021/03/07
悲しみのゴリラ
悲しみのゴリラ 作: ジャッキー・アズーア・クレイマー
絵: シンディ・ダービー
訳: 落合 恵子

出版社: クレヨンハウス
愛する人を亡くした悲しみから、人はどのように立ち直っていくのだろう。
 この本は絵本ですが、そんな深い問いを描いた一冊です。
 だから、絵本だからといって子どもだけのものではなく、今も悲しみの中にいる大人の人にも読んでもらいたい作品です。

 絵本はお葬式の場面から始まります。
 亡くなったのは、まだ若いママ。パパと男の子が残されます。
 ママが丹精込めた庭で、一人ぼっちでいる男の子に、一頭の大きなゴリラが近づいてきます。
 男の子はゴリラに「ぼくのママ、しんだんだよ」と話しかけます。ゴリラは「そうだね、しってるよ」と返します。
 こうして、男の子とゴリラの対話が始まります。
 ゴリラは男の子の心のなかにいるのでしょう。
 なので、ゴリラとの対話は男の子自身との向き合いです。
 男の子はこうしてママを亡くした悲しみと戦っていたのでしょう。
 ある時、男の子は部屋で泣いているパパを見つけます。
 「ママにあいたい。」という男の子と抱き合うパパ。
 そんな二人をゴリラは大きな体で包み込んであげるのです。
 この時を境にして、男の子とパパはママの喪失の悲しみを共有しあうようになります。

 男の子にとっての「悲しみのゴリラ」はやがていなくなります。
 ママを亡くした悲しみは決して去らないでしょうが、パパと悲しみを共有することで男の子は前を向くことができました。
 夕焼けの中を去っていくゴリラはもう「悲しみのゴリラ」ではないのかもしれません。
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自信を持っておすすめしたい 人生が尊いものだとわかる一冊の絵本   投稿日:2021/02/28
岸辺のふたり
岸辺のふたり 作・絵: マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
訳: うちだ ややこ

出版社: くもん出版
この絵本を読み終えて、まるで映画のようと思う人は多いはず。
 それもそのはず、この絵本はアニメーションショートフィルムを監督自ら絵本にしたものです。
 監督、つまりこの絵本の作者マイケル・ディドウ・ドゥ・ヴィットさんはオランダ生まれのアニメーション作家で、作品に描かれる平坦な大地はオランダの風景だそうです。
 この絵本の翻訳をしているうちだややこさんは本木雅弘さんの奥さんで樹木希林さんの娘さんでもあるエッセイストの内田也哉子さんです。
 うちださんはこの絵本に付けられた付録の冊子で、この作品の絵のことを「つつましく繊細な温度を保つ絵」と表現しています。
 なんとうまい言い方でしょう。

 絵本は、干潟を自転車で走っていく父と娘の姿から始まります。
 岸辺に着くと、父は「それじゃあな」と、一人ボートで漕ぎ出していきます。
 それが、父と娘との別れでした。
 それから、長い時間が過ぎていきます。
 少女は美しい女性になり、伴侶ができます。
 やがて、子どもも生まれ、母となります。
 あの時の少女も今は年をとりました。
 いつしか、父と別れた岸辺に彼女は戻ってきます。

 その岸辺で彼女が見つけるもの。きっと読み手はそこでこの岸辺の深い意味を知ることになります。
 人の一生がこんなに静謐な時間の流れだということを気付かさせてくれる、尊い絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 東京へはもう何度も行きましたね            投稿日:2021/02/21
東京さんぽ絵本
東京さんぽ絵本 作: 阿部 行夫
出版社: 文溪堂
街にはそれぞれの街なりの表情があって、きっと誰にも自分のお気に入りの街があるにちがいない。
 中でも、東京。
 日本の首都であることはいうまでもないが、街としてもとっても素敵だところだと思う。
 なんといっても、たくさん楽しめるところがある。
 観光地としても有数だろう、一日で回れるはずもない。
 ましてや、「さんぽ」なんて。
 でも、何故か東京には「さんぽ」という言葉が似合っている。
 それは多分、ちょっと歩けば(電車に乗れば)別のいいところに行けるからではないだろうか。

 この絵本の作者である阿部行夫さんはアニメーションの美術監督として多くの作品に携わってきた。だから、街の表情がとても生き生きとしている。
 単に写実というのではない。街の特長をうまく組み合わせて、読者の目の前に街を再現させてくれる。
 阿部さんが描いた東京は、まずは雪の東京駅。しかも上空からの俯瞰。
 続いて、冬の夜の銀座。アメ横、上野公園、皇居、と続く。
 もっと歩こう。
 明治神宮、新宿御苑、お台場では花火を見よう。
 カッパ橋に御茶ノ水、神保町とくれば専門店の街。おっと、秋葉原は「おたく文化の聖地」。
 といった具合に、まだまだ続く。
 この絵本に紹介されていない、東京の見どころスポットはまだまだある。

 東京。好きだな。
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自信を持っておすすめしたい おじいちゃんとおばあちゃんの恋物語  投稿日:2021/02/14
雷になった いのばあちゃん
雷になった いのばあちゃん 著・絵: あらい 太朗
出版社: さきたま出版会
タイトルに出てくる「いのばあちゃん」というのは、日本で最初の職業漫画家になった北沢楽天の奥さん北沢いのさんのこと。
 楽天は明治から昭和にかけて活躍した漫画家で、晩年は先祖代々の地であった埼玉大宮に住みます。当時の大宮市の名誉市民第一号にもなっています。
 楽天は昭和30年(1955年)に79歳で亡くなりますが、いのさんはその後十年一人で過ごします。
 この本の作者であるあらい太朗さんはさいたま市を拠点に活躍されている漫画家ですが、同時の北沢楽天といのさんの顕彰をライフワークにされてもいて、楽天を主人公にした映画「漫画誕生」(2019年)の制作にも関わっています。

 そんなあらいさんだからこそ、楽天死後一人になったいのさんの寂しさとさらに募る夫楽天の思いを雷に託した「大人の童話」が書けたのだと思います。
 そして、雷が登場するヒントになったのが、楽天が描いた掛け軸「雷と蛙」。この掛け軸の図版も作品解説もこの本の巻末に載っています。
 物語はいのさんのところに雷のお父さんがやってきて、楽天の掛け軸を見て、雲の上の様子が違うことをいのさんに話します。興味を持ったいのさんは、だったらと雷と一緒に雲の上に。そこで、もっと上の天上にいる楽天と再会します。

 物語も素敵ですが、あらいさんが考案されたという「ぽんぽん版画」による挿絵がかわいくて、いのばあちゃんってきっとこういう人だったのだろうって微笑ましくなります。
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自信を持っておすすめしたい 命をつかまえる                     投稿日:2021/02/07
つかまえた
つかまえた 作: 田島 征三
出版社: 偕成社
収束が見えないコロナ禍で、政治にしても経済にしても閉塞感がぬぐい切れない。
 そんな中、絵本作家田島征三さんは元気だ。
 1940年生まれというから、時の総理よりもまだ年上。それでも、これだけ元気。
 もともとの画風が力強いものだが、今回のこの作品はその極地ともいえる。
 一人の少年が川の浅瀬で見つけた大きな魚を捕まえる牧歌的な話で、田島さんの少年時代の思い出が色濃く反映されているといわれます。
 牧歌的なのはそういう背景だけで、実際には魚を捕まえるという人間と魚との力のぶつかり合いが描かれています。
 そこに水や大地、あるいは風や光といった自然のありようも重なり合います。

 ようやくにして捕まえた魚を抱いて少年は大地に寝ころんで、しばしまどろみます。
 その時見た夢は魚に抱かれている自分です。
 捕まえられたのは魚だったのか、少年だったのか。
 夢から覚めた少年は、魚が死にかけていることに気づきます。あわてて水のあるところまで駆けていきます。
 魚は無事息を吹き返しますが、同時に少年の手からも逃げ出すことでもありました。
 少年はこうしてせっかく捕まえた魚に逃げられてしまうのです。

 少年は魚に逃げられましたが、命を実感したかもしれません。
 自分の腕の中で暴れる強い命、胸の中で次第に弱っていく命、そして生き返る命。
 この絵本はそんな強い命に溢れた作品です。
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