![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
パパが小学校に行っていた頃、日本の国は中国と戦争をしていました。 だから遊びも絵本も戦争と関係のあるものばかり、大きくなったら兵隊になり、戦争に行かなくてはならないと教えられていました。
そう語りはじめたのは、世界的映画監督大島渚さん。これは、彼の初めての絵本作品となります。 息子の武さんが小学生の頃、親にこども時代の思い出を作文に書いてもらうという宿題があり、その時に書いた文章なのだそう。日頃から子どもたちに「自分で考えることができる人になってほしい」と言っていたという大島さん。この絵本の内容も、少年時代に起きた出来事や感じたことをシンプルに書いているだけです。
物語は、クラスで一番ケンカの強いさかいくんのことが中心になって進んでいきます。 ケンカが強くても、朗らかで優しい少年だったこと。 だけど兵隊だったお父さんが亡くなってからは、時々弱いものイジメをするようになったこと。 みんなが大好きだったクラスの担任の先生が兵隊に行くことが決まった時、一番涙を流していたのがさかいくんだったこと。
まだ幼かったパパは、その事実が何を物語っているのか、すぐには理解できなかったのかもしれません。戦争というものがどういうものなのか、色々な出来事を経験していきながら、少しずつわかっていったのです。それはきっと、この絵本を読んだ子どもたちも同じでしょう。 「先生、戦争なんかいくなよっ」 そう叫んださかいくんの心の中には、どんな想いが詰まっていたのでしょう。
戦後70年経った今、大島さんが今の子どもたちへ問いかけます。 世代を超えて伝えていかなければならないこと。もう一度考えなくてはならない時代がきています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
世界的映画監督、大島渚の初の絵本。 「戦場のメリークリスマス」など世界中で上映される映画を作り続けた映画監督の大島渚が、自身の子どもに語った自らの戦争体験を絵本にしました。戦後70年、いま子どもたちに、どうしても伝えたい絵本です。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
父親を戦争で亡くした子供から戦争を追った作品、というのがポイント。それもなんだか実話っぽい。
こういった本は実話が多いけれど、もっと実話っぽく感じてしまう。
友達の視点という第三者視点だからだろうか。
父親を亡くし、先生をきっと心の支えにしていたさかいくん。戦争に出てしまえば父親の時のような思いをすると知っているさかいくん。
無言の涙に実感がこもっています。でも大人は笑顔。
一足先に戦争を知ってしまったこと、大人は寂しさを我慢しているのではないかという推測、際立つ最期の晩餐 タケノコごはん。
わかりやすく伝わりやすい。小学高学年から大人までジーンとすると思います。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子13歳)
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