なんという幻想的な美しい絵本だろう。ヨットがカモメのように夜空をゆっくり飛んでいく。ヨット好きの少年の不思議な冒険。カルデコット賞作家の代表作。
オールズバーグ の作品はどれも不思議な感じがします。
感動とも面白いというのとも違う、魔術の中に取り込まれたような、夢を見ていたような読後感。
高い丘の上にあるヨットの廃船。空を飛んでここに落ちたと言うのです。現実離れしています。
読み終えてみると、話をしてくれた老人がヨットの持ち主であるようです。
ヨット操縦の腕が自慢で、荒海に船を出して遭難。それから、空飛ぶヨットのある世界に入り込みます。
SFのようで、妙に現実に近い風景。だからこそ化かされたような気になってくるのかもしれません。
登場するものは極めてシンプルです。
夕食後の読み聞かせに良いかも知れません。
大人だったら、ゆったりと食後酒を召し上がりながら。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
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