「戦わない」という、勇気。
アフリカの少年ヤクーバは、一人前の戦士としての勇気を示すため、ライオンを倒しに出かける。しかしそこで出会ったのは、瀕死のライオンだった……。
「殺された側は報復のために相手を殺す。終わりのない報復の殺し合いが続いていく。その悪循環を断ち切るにはどうすればよいのか。日本の社会に目を向けると、いじめられた子が復讐の事件を起こす。虐待された子がやがて虐待する側にまわる。これも同じ悪循環だ。もうひとつの道――『殺さないことだ』という、ライオンの問いかけは重い。」――柳田邦男
中学年から高学年の読み聞かせに人気。 読書感想文にもふさわしい、骨太の絵本です。
発行された年から毎年、6年生全クラスで読んでいます。
最初は、表紙からして見慣れないアフリカ人の少年の絵、村の人たちがたくさん出るシーンなどでひそかな笑いがおきることもありました。
これはもともとのクラスの雰囲気とか、その朝の様子によるので必ずではありません。
今日読んだクラスは、最初から集中していました。
笑いがおきたクラスでも、ヤクーバが狩りに出ると静かになります。
ライオンの問いかけの部分は、身を乗り出して聞く子が出てきます。
傷ついたライオンを仕留めて、村の英雄になるか。殺さないで、気高い心を持った人間として戻り、仲間外れになるか。
こんな究極の選択は、日本の子どもたちには起こらないだろうけど、勇気を出さなくちゃならないことはありますよね。
去年、読み聞かせを聞いたメンバーのお子さんが、家で「深いぃ〜話を聞いたよ」と報告があったと聞きました。
何か心に残ればいいなあと思います。 (きらきら虫さん 40代・ママ 女の子16歳、男の子13歳)
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