カル少年は、高い山の上に住んでいるので、学校へ通うことができません。もちろん図書館なんてないし、本を読みたいと思ったこともありませんでした。ある日、馬に乗った女の人が、カルの家に本を持ってやってきて……。いまから80年ほど前、アメリカは不景気の時代で、だれもが貧しくはありましたが、子どもに本を読ませたいという気持ちを忘れませんでした。学校も図書館もない不便な所で生活をしている子どもたちのために、図書館の本を届けようと考え出されたのが、「荷馬図書館員」という職業でした。彼女たちは「ブック・ウーマン」と呼ばれ、馬に乗って、暑い日も、寒い日も、どんなに遠い道のりでも、ひたすら子どもたちの手もとに本を届けたのです。
本当にあった「荷馬図書館員」のお話です。
へき地にまで本を届ける姿が、とても美しい。
また、その活動に反応していく子供の成長もすばらしい。
この過酷なお仕事が、ほとんど女性の手によって支えられていたことも
とても興味深いポイントでした。
沢山の人に知ってほしい活動。
「本の力」を感じる一冊です。
(やこちんさん 50代・ママ 女の子19歳)
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