「おれたち、ともだち!」絵本 レビュー大賞決定!
すっかりともだちになった、オオカミとキツネ。今日もまた二人一緒に遊んでいるけれど、なんだか様子が変。ダーツをしても、けん玉勝負をしても、得意なはずのトランプをしても、オオカミが全部大負けしてしまう。こらえきれなくなったオオカミは、とうとうキツネに向かって怒鳴ってしまうのです。
「これは、インチキだ!」
インチキだなんて、考えたこともなかったのに! 大雨の中、キツネはくやしさで叫びながら家に帰ってしまいます。ところが、すっかりしょげこんでしまったのは……オオカミの方。
「お、おれの言いすぎだった。」
これは二人にとって、初めての大げんか。そうだよね、オオカミだってわかっているのです。すぐに伝えるべきなのは、あの言葉。すぐにでも仲直りするための、あの一言。
「ごめんね」
言おう言おうと思っても……。仲良くなればなるほど、一緒にいる時間が長くなっていくほど、気持ちがぶつかることなんて、あって当たり前。だけど、本当にそのままでいいの? 大人気「おれたち、ともだち!」シリーズ4冊目のテーマはけんかです。
仲直りのきっかけは、いつだって案外些細なところに落ちているもの。素直な二人の、ちょっともどかしいやり取りを、自分の経験と重ね合わせながら読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
オオカミはキツネと初めての大げんか。仲直りがしたいのに、あの一言が出てきません。「ごめんね」って。心の中ならいえるのに。
クラスの読み聞かせで読みました。
友達と言い合ったり、ついつい意地をはったり、思ってもいないことを言ってみたり、言ってしまったことを後悔したり。絵本のなかのきつねくんとおおかみくんを通して、子どもたちは、自分との共通点を見つけ、同じ気持ちになってるようでした。
けんかして仲直りするまでの心の葛藤のようなものが、小さな子たちのなかにもあるんだろうなあと感じます。
「ごめんね」の一言がなかなかいえないところ、とくに共感できますね。この絵本は、友達との付き合いのなかに必ずある、衝突から仲直りまでの気持ちを本当によくあらわしてくれています。
ぜひ、たくさんの子どもたちが読んで、お友達とけんかしてもまた仲良くなる関係をきずいてほしいなあと思います。 (けいご!さん 30代・ママ 女の子11歳、男の子7歳)
|