冬の嵐の晩、貧しいひとり暮らしのおじいさんのもとに、一ぴきの黒ねこがやってきました。やせ細り、びしょぬれになってふるえている黒ねこを哀れに思ったおじいさんは、わずかばかりのミルクとパンを全て与え、さらにはとっておきの羊の肉までやってしまいます。そればかりか、残っていたまきをすべてだんろにくべて、黒ねこをあたためてやるのでした。そして翌朝、奇跡はおこりました……。
聖夜にぴったりのすてきなお話です。
貧しいおじいさんの元に現れた黒ねこ。おじいさんは、このお客様を、大事に、大事にもてなし、自分自身が飲まず食わずでとっておいた大切なミルクとパン、そして、ついには肉の骨まですべて、黒ねこに与えてしまいます。
娘は、与えても与えても、足るを知るということのない図々しいおきゃくさまに、びっくり仰天。
「外に出しちゃえば? おじいさんだって何にも食べてないんだよ。全部あげちゃったら、おじいさんがかわいそうだよ。」と、言っていました。
ところが、翌朝、黒ねこが出て行く場面で、急に目を丸くし、
「あっ、きっとこのねこは神様だったんだよ!」と、驚きの声を上げました。
寒い冬の夜に起こった静かな奇跡。心が洗われていくのを感じます。 (ガーリャさん 40代・ママ 女の子7歳)
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