|
あのな、とうちゃん。 1こうねんってしってるか。 きょう、せんせいにおしえてもろてん。 1こうねんはなれたほしからちきゅうをみると、 一ねんまえのちきゅうがみえるんやて。 すごいやろ・・・。 ――父子家庭の子どもが母への想いをつづる だれもが心を洗われる、愛の絵本。
とても素敵なお話でした。
終始関西弁の明るい主人公の会話文のところが、声を出して読んだ時にとても楽しくてよかったです。
それに輪をかけるようにして、登場人物である親子の表情も、なんだかとっても表情豊かで、絵だけでも笑えてきてしまいます。
星の観察が宿題に出された主人公が、ある晩家族で星を見に行きます。そこで、星の光が届くまでに実は、何年も時間がかかるのだと知った男の子に、ある発想がわくのです。その発想は、実に子供らしくてかわいらしいものでした。
しかし、読み進めていくと、底抜けに明るい家族に見えるこの家族は、実は数年前にお母さんを失っているのだということがわかります。
でも、一回目に読んだ時には、父子家庭だということに最後まで気が付かずに、さらりと読んでしまいました。
そこで、子供に読む時には、表紙のロケットに乗っている子供二人の絵を見せて「何人家族だと思う?」と聞いてみました。すると、やはり私と同じで、当然のようにお父さんも、お母さんもいる「4人家族」という答えが返ってきました。
そこで、裏表紙も開くと、ロケットの後ろにはお父さんしかおらず、3人家族ということが理解できます。
お母さんは、いないけれども家族が明るく前向きに、はつらつとしているところ、夢が大きいところが、素敵です。思わずジーンとなって「頑張れ」って応援したくなりました。
でも、逆に元気がない時に読んだら、この明るさに励まされてしまいそうです。 (はなしんさん 40代・ママ 女の子10歳、男の子8歳)
|