昨日の夜に男の子のところへ訪ねてきた「よるくま」はお母さんを探していた。男の子も一緒に探してあげたけれど、なかなか見つからない。よるくまの手を引いて歩く男の子は小さい子だけど、ちょっと頼もしい。お兄ちゃんみたい。
お店や公園にもお母さんはいない。家に帰って見てもお母さんはいない。とうとう泣き出してしまうよるくま。心細くて、とてもかわいそう。
お母さんはよるくまが寝ている間、働いていた。美味しいものを食べさせたり、自転車を買ってあげるために…。
娘が小さい頃、仕事をしていて、保育園に預けていた。なかなか保育園に慣れない子で、言葉を話すようになると「保育園バイバイ」と言い出した。子供を何不自由なく育てようと働いていたが、結局、私は仕事を辞めてしまった。
このお話はその頃読んだが、よるくまは「何もいらないから、そばにいて」と思ったかもしれない。娘は多分そうだった。でも、よるくまのお母さんは仕事を辞める選択肢はないのかもしれない。よるくまは時々、夜中に目を覚まし、寂しくなってお母さんを探すかもしれない。それでもだんだんお母さんの想いを理解し、お母さんがいなくても寂しくなくなるといいな。
きれいな青い夜とかわいいよるくまと男の子。誰もいない夜の公園や街も月や明かりに照らされて、美しい。よるくまと影は黒く、夜の中に浮かんでいる。絵も可愛くて、とてもすてき。