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理解に時間のかかる絵本
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投稿日:2010/10/17 |
絵が、ロベルト・インノチェンティの作だったので読んでみました。
絵の凄さは相変わらず。
また、作品自体も非常に面白い趣向のものでした。
物語は、主人公である作者が、想像力を無くして迷い人として、辿り着いたのがこの不思議なラストリゾート。
ここで出会ったのは、恐らく、作者自身が大きく影響を受けたであろう人物達。
最初は、その登場人物が全く分からなかったのですが、巻末のあとがきを読んで何となく分かった感じです。
「釣り好きの男の子」はハックルベリー・フィン
「片脚の船乗り」は「宝島」のロング・ジョン・シルバー
「白いドレスの女性」は人魚姫
あたりは、直ぐにピンときたのですが、他の多くの人物にはなかなか理解が及びませんでした。
もっと、その背景にある物語を知っていれば、物語に付随した絵の楽しさも堪能できて、見応えがあると思うのですが、その点が非常に残念です。
さらにあとがきに、
登場する絵描きは
「わたしこと、ロベルト・インノチェンティです。
この本は、どこかへ行ってしまった想像力をみつけるまでの、わたしのお話です」
とありました。
やっとこの文章を読んで、なるほどと納得出来ました。
海外の文学を多読していて馴染んでいる人なら、この作品には入り込みやすく楽しめると思いますが、知らないと理解が覚束ない作品かも知れません。
ただ、こんな物語を想像するだけで、ウキウキしてしまうのは私だけではないはずだと思います。
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子供にとって理解し易い絵本
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投稿日:2010/10/17 |
「タンゲくん」「コッコさん」シリーズあたりで知られる片山 健さんの新作。
一見して、片山さんの作品とわかります。
「いってきまーす」
「とおくへいかないのよ。はやくかえってきてね」
という会話で始まります。
のまどくんは、○○○が好きというフレーズが繰り返されるのですが、あるあると納得のできることばかり。
どれも、子供なら一度は好きになることではないでしょうか。
特に、宝物として何でも集めてしまうこと。
誰にでも経験あることで、最後のお母さんの、
「どこまでいってたの。またそんなもの ひろってきて」
という言葉に、ほのぼのとさせられてしまいました。
お子さん自身が、のまどくんに我が身を投影して聞き入ってしまう作品だと思います。
さりげない1日を描いたものですが、理解し易いと思います。
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深遠な意味合いのある作品
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投稿日:2010/10/17 |
4つの椅子があって、ちいさなくまちゃんが、それぞれお座りしました。
でも、後からやってきた茶いくまちゃんの椅子がありません。
半分座らせて貰おうとしたのですが、茶いくまちゃんは大きいので座れません。
しょんぼりした茶いくまちゃんを見て、ぽちぽちくまちゃんがある提案をするのです。
納得の解決策なのですが、良いのは、最後のページで皆全員で、椅子に座っている表情の明るいこと。
見るだけで、こちらも暖かい気持ちにさせられます。
相手を思いやる気持ちに通じる、とても優しい絵本だと思います。
内容とも相まって、パステルカラーの暖かみのある絵もピッタリです。
幼稚園の年少位までに読み聞かせしてあげたい一冊です。
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ドン・フリーマンらしい暖かい絵本
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投稿日:2010/10/16 |
大好きなドン・フリーマンの作品なので読んでみました。
1976初版の作品で、珍しく邦訳も同年にされています。
ドン・フリーマンは、1978年没ですから、本当に晩年の作品ということになります。
原題は、「The Chalk Box Story」
いつも同じ大きさの絵本だったので、少し小さめのサイズは意外というのが第一印象です。
お話は、8色のくれよんが、箱から出て絵を描いていくというもの。
左ページに文章、右ページのくれよんが描いていく絵があって、少しずつ変化していきます。
パラパラ漫画のように変化が楽しめると言えば良いでしょうか?
その描く絵が、実にドン・フリーマンらしい暖かい絵で、見るだけで心をほのぼのとさせてくれます。
くれよんの描く絵にも、ストーリーがあって、最後にはハッピーエンドで終わるという趣向も洒落ていると思います。
決して派手な作品ではありませんが、安心して読み聞かせをすることのできる良質な絵本としてオススメです。
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心を揺さぶる作品
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投稿日:2010/10/16 |
百年の家のロベルト・インノチェンティが絵を描いた作品なので読んでみました。
表紙のおよそ写真としか見えない絵は、彼にしか描けないと思えるもの。
このモノクロの一見してナチスドイツ軍と分かる絵に、ピンク色が施してあるのは、それが、象徴するものであることが読後に分かりました。
百年の家とは、また違った意味合いで、心を揺さぶられる作品でした。
この作品は、実話です。
著者が、1995年にドイツのローテンブルク市で、出会った女性、それがエリカです。
そのエリカの語った生い立ちを絵本にしたものなのです。
ユダヤ人強制収容所行きの列車に、ユダヤ人が乗り込むシーンから始まりますが、エリカは何処にいるのか分かりません。
その列車は貨車で、兵士の側に乳母車があるので、もうエリカは貨車の中にいるということなのでしょう。
エリカが確実に描かれてるのが分かるのは、その貨車の天井近くの窓から外に投げ出される瞬間です。
お母さんが、エリカを走っている貨車から外に放り投げたのです。
その時、エリカを包んでいた毛布の色がピンク色。
そのまま、貨車に乗っていれば、死しかない。
本当に僅かな生き残る可能性を信じて、この行為に託した想いを想像すると、胸をかきむしられそうな気持ちになります。
母の子を想う気持ちを、極限まで昇華した凄みに圧倒されました。
『お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。』
と言う一文が、この絵本の全てです。
戦争の悲惨さ以上に、母の愛、生の意味といった根源の問題について読み手に訴えてくる絵本です。
著者がエリカと出合ったこと、それこそが奇跡だと言えるのではないでしょうか?
もっと、多くの人に読んで欲しい一冊です。
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他の薮内作品とは趣が異なる作品
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投稿日:2010/10/16 |
動物画の第一人者として知られる薮内正幸さんの作品なので読んでみました。
表紙の装丁は、お馴染のどうぶつを描いたものと同じだったのですが、内容は一寸趣が異なります。
最初の見開きに、
「くるみを たべたのは だれ?」
とあって、くるみの殻があります。
次ページは、
「くるみを たべたのは ねずみ」
と解答があって、この繰り返しです。
いつもなら、安心して読み続けられるのですが、直ぐに食物連鎖の内容になり
「ことりを たべたのは だれ?」
という問いになります。
自然界をそのままに描いたと言えば聞こえは良いのですが、対象年齢は、3歳からとある絵本ですから、内容に疑問が残ります。
特に、薮内さんの絵は、あまりに精緻なので、その絵がリアリティを持ちすぎてしまっています。
小学生向きの科学の絵本ならいざ知らず、どうぶつを中心にした絵を描かれているのですから、木の実とか穀類に限定した内容にして欲しかったと思います。
意見は分かれるところですが、万人に受け容れられる絵本ではないことは間違いありません。
他の薮内さんの作品と同じ期待をしない方が良いと思います。
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クリスマスプレゼントに超オススメ
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投稿日:2010/10/13 |
我家のみんなが大好きな林明子さんの作品なので読んでみました。
「クリスマスの三つのおくりもの」という3冊シリーズの1冊で、クリスマスシーズンに相応しいもの。
サイズがミニ絵本というのも洒落ています。
3兄弟姉妹のそれぞれが主人公になっています。
「ふたつのいちご」は、長女のかすみちゃん、「ズボンのクリスマス」は長男のもっくん、そして今回の「サンタクロ−スとれいちゃん」はれいちゃんが主人公です。
この設定からして憎いばかりの演出です。
お話は、クリスマスの日、れいちゃんがサンタを待っているシーンから始まります。
待ちきれないれいちゃんは、サンタを捜しに外に出てしまいます。
サンタと出会うのですが、れいちゃんに気づきません。
しかも、サンタの袋に穴が空いていて、おもちゃを落としつつ歩いているのです。
その落ちたおもちゃを拾って、れいちゃんが追いかけるのですが、その後も、あっと驚く展開が繰り広げられます。
3冊の中では、一番評価が高いのですが、クリスマスをストレートに表現し過ぎている気がして、他の2作の方が個人的には好きです。
もっとも、れいちゃんの仕草は例えようのないくらい魅力的で、林さんの凄さを改めて感じています。
3冊のセットのクリスマスプレゼント、本当にオススメです。
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科学絵本の良書
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投稿日:2010/10/11 |
1969年の作品です。
絵を描いた寺島龍一さんは、人物画の洋画家として知られた人ですが、挿絵も多く手がけています。
著者の森谷 憲さんと義兄弟ということでこの絵本は生まれたのでしょう。
種を蒔くと、どのように地中で成長して食べられる部分が出来るのかを、分かりやすく図解しています。
葉、茎、実、種、根などのいろいろな部分を食していることが分かり、これは、大人でも勉強になります。
特に、種は何処にできるのかを明確にしているのがとても良いと思います。
ただ、1つ困ったのがすいか。
農林水産省によると、1年生および多年生の草本になる実は野菜、永年生の樹木になる実は「果物」と決めています。
よって、すいかはウリ科の1年生果菜(野菜)という分類になります。
しかし、青果市場やスーパーで「すいか」は果物として扱われています。
市場では、消費される形態に合わせて分類しているということなのですが、その説明を子供にするのは一寸厄介かなという気がしています。
科学の目を養うにはうってつけの絵本ですので、オススメします。
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素晴らしい着眼点の絵本
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投稿日:2010/10/11 |
動物画の第一人者として知られる薮内正幸さんの作品です。
最初の見開きに、
「○○○は、どうやって ねるのかな?」
とあって、
次ページに、
「○○○ってねます」
と解答があるという構成です。
いつもながらの薮内さんの絵は、見る者を圧倒します。
その毛並みまでも一本一本丁寧に描いた精緻な絵は、絵本から飛び出さんばかりのリアリティに溢れたもの。
そして、この本が良いのは、動物が寝るということにポイントを絞り込んでいること。
腹ばいになって寝るという発想しかなかったのですが、動物それぞれに寝る姿があって、大人でも学ぶことが多いと思います。
特に、フラミンゴとかラッコなんかはビックリのはず。
「どうぶつのおやこ」「どうぶつのおかあさん」等と一緒に読み聞かせすると、効果は絶大だと思います。
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林明子さんの絵が秀逸
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投稿日:2010/10/11 |
林明子さんが絵を描いているので読んでみました。
やはり、林さんの描く子供、特に女の子は何度見ても最高の領域に達しています。
単に可愛いいとかの話ではありません。
可愛い子を描く人は多いのですが、その表情、仕草、姿勢全てが完璧で、まるでそこに居るかのように見えてしまいます。
物語は、主人公のさちが庭で遊んでいると雨が降ってくるシーンから始まります。
その時逃げ込んだのが、葉っぱのおうち。
小さい頃って、こうした秘密基地に憧れたもので、まさにそんなイメージです。
そこにやってくるのは、かまきり、紋白蝶、黄金虫、天道虫、蟻。
皆で仲良く雨宿りという光景は、喉かそのもの。
雨が上がった時に、みんなそれぞれの家に向かうというエンディングもなかなかのものです。
でも、1つ気になったのは、虫の大きさ。
小さいお子さんが見ても、怖くないようにデフォルメして描いているのは良いのですが、ここまで大きいと、巨大生物の世界ではないかという気がします。
2歳〜3歳のお子さん向きと言える絵本かも知れません。
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