茶と栗と柿と麩を入れたザルを持ってさきちは町へ物売りに行きましたが、誰も買ってくれません。そこで売り声を上げることを思いつくのですが……。楽しい落語絵本です。
茶と栗と柿と麩を入れたザルを持ってさきちは町へ物売りにでかけました。さきちは「おちゃはいりまへんかー、くりをかいまへんかー、かきはどうですかー」と売り声を上げて歩きましたが、だれも買ってくれないし、声もかれてきました。そこで、「もっとみじこうに いえんかな」そう考えたさきちはみんなまとめて、「ちゃっくりがきぃふ」と叫ぶことにしました。するとそれを見つけた子どもたちが、「おもろいおっさんがやってきたで」と大喜び。「パッピ、プッペ、ポ」といいながらついて歩きだしました。そこへ、チンドンやがやってきたから、さあ、大変! 「ちゃっくりがきぃふ」「パッピ、プッペ、ポ」「チャン、チキチィーン、ドドォーン」もう、町は大騒ぎ。はしゃいで町を練り歩いたさきちですが、さて、お茶や栗は売れたのでしょうか? 関西落語で大活躍中の桂文我さんのお話を、梶山俊夫さんがとびきり楽しい絵で描いた、「おもろい」落語絵本です。
「ちゃっくりがきぃふ」「ぱっぴぷっぺぽ」「ちゃんちきちーん、どどぉーん」
もう、読んでいて楽しくて楽しくてたまらなくなります。
息子も、声をあげて大笑い。
私が「ちゃっくりがきぃふ」と叫べば息子が「ぱっぴぷっぺぽ」
エンドレスで掛け合いを楽しみました。
時代やら風俗やら、3才の息子には理解できないかな、と思いましたが、なんのなんの。
古今東西、老若男女問わず笑わせるのがこの単純な小噺。
うーーん、落語はすごい!
私自身が関西人なので、気分良く読めるのですが、やはり一度、本物の噺家さんのを聴いてみたくなります。
CDが付いていたらいいのに。福音館さん、CD付き絵本出してくれないかなあ。
さんざん笑って、遊んだあとにふと息子がつぶやいた言葉
「なぁんも売れなくて、またおっちゃんとこ戻ったら、コラ、言うておこられるんやろか」
そやなあ、かわいそうやなあ。 (けいぼんさん 40代・ママ 男の子3歳)
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